「組織原則が組織運営の問題を解決する」編
<賃金は格差をつけるものではないの原則>
賃金制度と言うと、優秀な社員とそうではない社員、成果を上げた社員と
上がっていない社員の、賃金の格差をつけるための制度だと誤解している
専門家が多すぎます。組織の中で賃金格差をつけたことによってどれだけ
組織総合力を失うことになるか、いわゆる、組織の中の協力体制、「一緒
に良くなろう」という風土そのものを壊してしまうことになるのか、全く
気がついていないのです。
賃金制度と言うと、優秀な社員とそうではない社員、成果を上げた社員と
上がっていない社員の、賃金の格差をつけるための制度だと誤解している
専門家が多すぎます。組織の中で賃金格差をつけたことによってどれだけ
組織総合力を失うことになるか、いわゆる、組織の中の協力体制、「一緒
に良くなろう」という風土そのものを壊してしまうことになるのか、全く
気がついていないのです。
専門家の95%以上は組織としての活動をしていません。つまり、経営をし
ている専門家はほとんどいないというのが現状です。そのため、組織運営
上必要なことも全く理解せず、経営者としての喜び・苦しみ・悲しみとい
うことを理解することなく賃金制度を語っているのです。ここに大きな問
題が発生しています。
特に問題なのが、この「賃金の格差をつける」という考え方です。優秀な
人の賃金が多く、優秀ではない人の賃金が少ないのはどこの会社でも共通
の実態です。
ただ、結果としてそうなったのであって、そうしたいと思った経営者がど
れほどいるでしょうか。つまり、全員優秀な社員になってもらうのは困る
と思っている経営者はいるかということです。
中途採用をしているなら社員の経歴はさまざまでしょう。新卒採用をして
いればそこに未経験の社員も入社してきます。そんな何らかの縁があって
入社したすべての社員にこの会社で成長し、そしてたくさんの昇給・賞与
を獲得できるようになってほしい、また、そのようにしたいと経営者は考
えています。
にもかかわらず、専門家が言う「賃金で格差をつける」という考え方を取り
入れてしまうのは、自分の組織を自分の手で壊すようなものです。賃金格差
をつけることによって社員のモチベーションを高めることはできないのです。
たくさん賃金をもらった社員は、これからも頑張ろうとするでしょう。では、
賃金格差をつけられてしまった社員はどう思うでしょうか? 当たり前のこ
とですからそれに反対することはできません。
上司もこう言うでしょう。「あなたもたくさん昇給・賞与が欲しければ、た
くさん成果を上げることだ」。ここが大きな問題です。
経営者はすべての社員を成長させて同じように高い昇給・賞与を提供したい
と考えています。その気持ちを理解している上司であれば、部下に対して指
導する内容は同じでなければなりません。
「あなたを成長させてあげたい。そして、たくさんの昇給・賞与を受け取れ
るようになってほしい」という指導です。間違っても「賃金が欲しいなら頑
張れ」という発言はあってはならないと考えます。
ところが、日本全国で当たり前のように「賃金が欲しいなら頑張れ」と上司が
発言しています。こうならないためには、経営者が賃金制度を導入するときに
社員に説明していなければならないでしょう。
「今回の賃金制度は社員に格差をつけるという低レベルの賃金制度ではありま
せん。この会社でどう成長していったら、どのように昇給・賞与が増えるかと
いうことを可視化すると同時に、すべての社員にこの会社で成長し、賃金を増
やしてもらうための賃金制度です。この会社で物心両面で豊かになってほしい、
それが経営者としての願いであり、その願いを説明するための制度がこの賃金
制度です」
この発言があることによって、賃金制度はみなさんの会社で空気になっていき
ます。賃金制度は『人参』ではありません。『空気』にすることを強く意識す
ることが必要でしょう。
= この続きは、来月またお送りいたします。 =
ている専門家はほとんどいないというのが現状です。そのため、組織運営
上必要なことも全く理解せず、経営者としての喜び・苦しみ・悲しみとい
うことを理解することなく賃金制度を語っているのです。ここに大きな問
題が発生しています。
特に問題なのが、この「賃金の格差をつける」という考え方です。優秀な
人の賃金が多く、優秀ではない人の賃金が少ないのはどこの会社でも共通
の実態です。
ただ、結果としてそうなったのであって、そうしたいと思った経営者がど
れほどいるでしょうか。つまり、全員優秀な社員になってもらうのは困る
と思っている経営者はいるかということです。
中途採用をしているなら社員の経歴はさまざまでしょう。新卒採用をして
いればそこに未経験の社員も入社してきます。そんな何らかの縁があって
入社したすべての社員にこの会社で成長し、そしてたくさんの昇給・賞与
を獲得できるようになってほしい、また、そのようにしたいと経営者は考
えています。
にもかかわらず、専門家が言う「賃金で格差をつける」という考え方を取り
入れてしまうのは、自分の組織を自分の手で壊すようなものです。賃金格差
をつけることによって社員のモチベーションを高めることはできないのです。
たくさん賃金をもらった社員は、これからも頑張ろうとするでしょう。では、
賃金格差をつけられてしまった社員はどう思うでしょうか? 当たり前のこ
とですからそれに反対することはできません。
上司もこう言うでしょう。「あなたもたくさん昇給・賞与が欲しければ、た
くさん成果を上げることだ」。ここが大きな問題です。
経営者はすべての社員を成長させて同じように高い昇給・賞与を提供したい
と考えています。その気持ちを理解している上司であれば、部下に対して指
導する内容は同じでなければなりません。
「あなたを成長させてあげたい。そして、たくさんの昇給・賞与を受け取れ
るようになってほしい」という指導です。間違っても「賃金が欲しいなら頑
張れ」という発言はあってはならないと考えます。
ところが、日本全国で当たり前のように「賃金が欲しいなら頑張れ」と上司が
発言しています。こうならないためには、経営者が賃金制度を導入するときに
社員に説明していなければならないでしょう。
「今回の賃金制度は社員に格差をつけるという低レベルの賃金制度ではありま
せん。この会社でどう成長していったら、どのように昇給・賞与が増えるかと
いうことを可視化すると同時に、すべての社員にこの会社で成長し、賃金を増
やしてもらうための賃金制度です。この会社で物心両面で豊かになってほしい、
それが経営者としての願いであり、その願いを説明するための制度がこの賃金
制度です」
この発言があることによって、賃金制度はみなさんの会社で空気になっていき
ます。賃金制度は『人参』ではありません。『空気』にすることを強く意識す
ることが必要でしょう。
= この続きは、来月またお送りいたします。 =