社会保険労務士法人村松事務所

「インサイト=お客さんの“ココロのツボ”」を、探り当てよう

13.09.15
ビジネス【マーケティング】
dummy
マーケティングや広告の世界で
いまや聞かない日はない言葉に、
インサイト(Insight)という
キーワードがあります。

辞書で引くと、
“洞察”などという訳語が出てくるのですが、
これでは何のことやら分かりません。

実際はコンシューマー・インサイト
という形で使われることが多く、
“消費者のココロのツボ”“消費者のホンネ”などと訳されます。
dummy
つまりは、
「どんなことを伝えられたら」、
消費者がその商品を買いたくなるか?
ということです。

最初は少しとっつきにくい考え方ですが、
慣れてしまえばとても便利だし、
ある意味で核心を突いた考え方なので、
ご紹介したいと思います。

インサイトは、「インサイトの発見」という使われ方をします。
まだ皆が「ハッキリとは気づいていない」ココロのツボなので、
「発見」というわけです。

このインサイトの発見と活用で大成功したと言われている事例が、
アメリカでの「牛乳飲用促進」のキャンペーンです。

このキャンペーンでは、骨が強くなるとか
身体が丈夫になる等の製品メッセージでは
牛乳を買わなくなっていた消費者に対して、
「クッキーなどを食べる時に牛乳が欲しくなるんだ」
という“インサイト=ココロのツボ”を発見し、
そのことをメインにメッセージして、大成功を収めるのです。

あなたの商品やサービスをお客さんが欲しい、
買いたい、使いたい、と思う“ココロのツボ”は何でしょうか?
実はサービスそのものよりも従業員の気さくな笑顔かもしれません。
商品そのものではなく、そこに付いて来るオマケかもしれません。

通常コンシューマー・インサイトの発見は、
さまざまなインタビューなどを元に行われます。
大々的なものは必要ありませんが、お客さまのホンネを聞き出す機会を設けて、
彼ら彼女らの“ココロのツボ”を探してみては、いかがでしょうか?


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。