社会保険労務士法人村松事務所

「組織原則が組織運営の問題を解決する」編

17.11.21
ミニコラム
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<可視化・共有化・仕組み化の原則>

それぞれの会社には優秀な社員がいます。優秀な中堅職の社員がいます。
優秀な管理職の社員がいます。
 
ただ、今まで残念なことにどのように優秀かはわかりませんでした。それを
成長シートの中に可視化し、共有化し、仕組み化をしてきました。
企業の中で普通に現場で優れたやり方が生み出されています。その生み出さ
れたものを可視化し、共有化し、仕組み化するのがマネジメントをしている
社員の仕事です。できていない社員を叱るのがマネージャーの仕事ではあり
ません。

過去を振り返っていただければ分かることでしょう。あまり仕事のできない
社員を叱ったとして、その瞬間からその社員が仕事をできた試しはあるでし
ょうか。そんなことを何回も繰り返すことよりも、その社員が失敗しないよ
うなマネジメントをすることです。それが可視化・共有化・仕組み化なのです。

成長シートは優秀な社員をモデルにして作りました。それを運用することに
よって、この会社にいる優秀でない社員を、今までとは違って小さな成長を
褒め認め、自己重要感を満たしながら、自らの内発的動機付け、自らの中から
モチベーションを高めて次の成長を目指すようにするのです。

今現在ある組織の中で常にマネージャーはこのことを肝に銘じて、可視化・
共有化・仕組み化をしていかなければなりません。そして、この仕組み化を
することによって、その仕組みそのものを後世に残していく必要があります。
そしてその仕組みを次の人たちが見直していくことになります。

成長シートもまさにその仕組みの1つであることは間違いありません。成長
シートに書いてある期待成果、それを実現するための重要業務、それが因果
関係として示されていました。それを活用して成長していった社員が次に言
う台詞は決まっています。

「私はこの成果を上げるためにこんな重要業務に挑戦してみたい」

そうして挑戦が始まるのです。その挑戦をすることによって、成功率2~3割
の中で、今までかつてない以上の成果を上げる重要業務が生まれることになる
でしょう。そこで重要業務が今までと入れ替えになり、新しい成果をもっと高
い成果を上げる重要業務に入れ替えるようになるのです。

知識・技術もそうです。勤務態度も同様です。優れた社員をモデリングして作
った成長シートがあるからこそ、そこをベースに新しい挑戦ができるのです。

これがなければ、すべての社員は全員1からスタートしなければなりません。
1からスタートすることによって、今優秀な社員が上げている成果を上げられ
るようになるまで10年掛かる。今までどおり同様の成長プロセスを経ることに
なるでしょう。

ところが成長シートがあれば、優秀な社員が今まで10年掛かったことがもっと
短い時間、8年…7年…と短縮されることになるのです。短縮されながら見直
しがされるのです。過去に成長した先輩はこの成長シートを通じて、こう新し
い社員に告げているでしょう。

「私たちが苦労したことを新しく入社してくる皆さんに苦労させたいと思って
いません。私たちの経験則をこの成長シートを通じて受け取ってください。

そしてあなたたちはもっともっと世の中に貢献するために、この成長シートの
見直しでもっと大きな成果を上げて世の中に貢献できる社員になってください」

それがまさに現実になったのです。その成長シートを活用しながらますます社員
は大きなものに挑戦していくことになるでしょう。

挑戦することによって、今まで以上に高い成果を上げる社員として育つでしょう。
年を追うごとに1人当たりの上げる売上・利益が増えていくことになれば、それ
はそのとおり見直しが上手に済んでいるということです。

マネジメントを行う社員の大事な仕事、それを可視化・共有化・仕組み化する
ことです。あらゆるものを仕組み化していくことによって、組織は最大の成果
を生み出すことができるようになるのです。

   = この続きは、来月またお送りいたします。 =