社会保険労務士法人村松事務所

長時間労働等の課題を抱える特定業種の中小企業事業主を支援

24.08.13
ビジネス【助成金】
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『働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)』は、長時間労働等の課題を抱える業種を支援するため、労働時間の削減等に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対して助成を行います。
ほかのコースと比べて、助成上限額が高めに設定されていることが特徴です。
助成対象となる取り組みに関心がある、長時間労働の解消を目指しているという事業主にぜひ注目していただきたい助成金です。

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働き方改革推進支援助成金

『働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)』は、長時間労働等の課題を抱える、建設、自動車運転、医業、砂糖製造の各業種を支援するため、労働時間の削減等に向け、設備・機器の導入や外部専門家によるコンサルティングなどを行なった際に、使用した経費の一部が事業主に助成されます。
主な支給要件は以下の通りです。

【対象業種】
・建設業
・自動車運転の業務
・医業に従事する医師
・砂糖製造業(鹿児島県・沖縄県に限る)

【対象事業主】
・労働者災害補償保険の適用事業主
・中小企業事業主
・交付申請時点で年次有給休暇の時季指定に関する就業規則等を整備している事業主
・「成果目標」のうちいずれかをこれから実施しようとする事業主

【成果目標】
下記よりいずれか1つ以上の目標を選択し、達成する必要があります。
業種ごとに成果目標が若干異なりますが、(1)~(4)は全業種共通です。
(1)36協定の時間外・休日労働時間数の縮減
(2)年次有給休暇の計画的付与制度の新たな導入
(3)時間単位の年次有給休暇制度の新たな導入、かつ、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇等のいずれか)の新たな導入
(4)9時間(自動車運転の業務等においては10時間)以上の勤務間インターバル制度の新たな導入
(5)所定休日の増加(建設業のみ)
(6)医師の働き方改革推進に関する取り組みを実施(医業のみ)

上記の成果目標に加えて、労働者の時間当たりの賃金額を3%以上または、5%以上引上げを行うことを成果目標に加えることができ、達成すると助成金額に加算が行われます。

【対象となる取り組み】
下記いずれか1つ以上の取り組みを実施する必要があります。
(1)労務管理担当者に対する研修
(2)労働者に対する研修、周知・啓発
(3)外部専門家によるコンサルティング
(4)就業規則・労使協定等の作成・変更
(5)人材確保に向けた取り組み
(6)労務管理用ソフトウエアの導入・更新
(7)労務管理用機器の導入・更新
(8)デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
(9)労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

【助成金額】
助成対象となる取り組みの実施に要した経費の一部が助成され、以下のいずれか低いほうの金額が助成されます。
また、選択した成果目標によって助成額の上限が定められています。
・各成果目標の合計額(+加算額)
・対象経費の合計×3/4(もしくは4/5※)
※常時使用する労働者数が30人以下かつ、(6)~(9)の取り組みを実施する場合で、所要額が30万円を超える場合
●成果目標ごとの上限額
成果目標(1)
現在の36協定にて時間外労働時間数等を、月80時間を超えて設定している事業場
→時間外労働時間数等を月60時間以下に設定 :250万円
→時間外労働時間数等を月80時間以下に設定 :150万円
現在の36協定にて時間外労働時間数等を、月60時間を超えて設定している事業場
→時間外労働時間数等を月60時間以下に設定 :200万円

成果目標(2):25万円

成果目標(3):25万円

成果目標(4):100万~170万円(業種による)

成果目標(5):1日増加につき25万円(4週4休から4週8休にした場合は最大100万円)

成果目標(6):50万円

●賃金引上げ達成時の加算額
常時使用する労働者数が30人以下で賃金3%以上引上げ(5%以上引上げ)
引上げ人数1~3人 30万円(48万円)
引上げ人数4~6人 60万円(96万円)
引上げ人数7~10人 100万円(160万円)
引上げ人数11~30人 1人当たり10万円/上限300万円(1人当たり16万円/上限480万円)

常時使用する労働者数が30人を超え賃金3%以上引上げ(5%以上引上げ)
引上げ人数1~3人 15万円(24万円)
引上げ人数4~6人 30万円(48万円)
引上げ人数7~10人 50万円(80万円)
引上げ人数11~30人 1人当たり5万円/上限150万円(1人当たり8万円/上限240万円)

【申請に際して】
・「働き方改革推進支援助成金交付申請書」を、労働局雇用環境・均等部(室)に提出する
・交付決定後、提出した計画に沿って取り組みを実施する
・労働局に支給申請を行う

申請書の提出〆切は2024年11月29日(金)まで、事業実施は2025年1月31日(金)までです(本助成金は国の予算額に制約されるため、予告なく受付を締め切る場合があります)。
また、申請期限は、事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日、または2025年2月7日(金)のいずれか早い日となります。
詳細は厚生労働省が公表する支給要領をご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692_00001.html


※本記事の記載内容は、2024年7月31日現在の法令・情報等に基づいています。