7.人生の幸福(第2部・第7章)
永続を目指し続ける~非上場・中堅・中小企業のための「持続可能な経営の設計技法」~
今回は、青字の部分です。
第2部:4バリュー実現のための経営技法(各論)(ToDo)
7. 人生の幸福
7.1 社員と経営者の幸福を同時追求するガバナンス
7.2 安全・安心・ポジティブな職場づくり
7.3 社員・経営者・会社の●●化による処遇と働き甲斐の向上
※本記事の無断引用・転載・複製・配布等はご遠慮ください。
※予告なく記事内容の訂正・修正・補足等を行うことがあります。
7.人生の幸福
世界幸福度レポート(World Happiness Report:略称WHR)という調査レポートをご存じでしょうか?
毎年3月20日の国際幸福デーに合わせて、2012年から発行されています。
なぜ2012年からかといえば、国際幸福デーが「国民総生産ではなく、国民総幸福量を目標にしたブータンによって提唱され、2012年7月12日の国連総会で決議された」からです(ユネスコ未来共創プラットフォームHP)。
147ヶ国を対象とした2025年の調査結果をまとめた最新版が発行されたのは2026年3月。国際調査結果で気になるのは世界ランキングですが、果たして日本は何位だったでしょうか?
・トップテンに入ってる?
・半分より上?
・半分より下?
・ワースト10に入ってる?
・・・
・・・
・・・
答えは・・・61位。なので、かろうじて、半分より上ですね。
この手の調査では北欧諸国が上位を占めるのが常ですが、ベスト10の顔ぶれは以下のとおりとなっています。
国名の後ろの数字は幸福度のスコアで、自分の生活に対する評価を最高が10点満点(最も理想的な生活)、最低が0点(最悪な生活)というスケールです。
1位 フィンランド 7.764
2位 アイスランド 7.540
3位 デンマーク 7.539
4位 コスタリカ 7.439
5位 スウェーデン 7.255
6位 ノルウェー 7.242
7位 オランダ 7.223
8位 イスラエル 7.187
9位 ルクセンブルク 7.063
10位 スイス 7.018
---
61位 日本 6.130
---
101位 南アフリカ 5.009(5点以上)
102位 アゼルバイジャン 4.993(5点未満)
---
147位 アフガニスタン 1.446(最下位)
さて、ご自身の自己評価は、何点でしょうか?
ちょっと考えて、●点!という数字を思い浮かべてから、読み進めてくださいね。
・・・
・・・
・・・
日本人の場合、アンケートでは、なんとなく真ん中より少し上(中の上)を答えがち、ということが影響しているのかな、と思わなくもないですが、経年変化をみると、2011年(6.059)・2012年(6.064)から少しずつ下がって5.871(2019年)で底を打ち、じわじわと上がって6.130(2025年)、という推移になっています。
ちなみに2024年が最高スコア(6.147)で55位、2025年のスコア(6.130)は少し下がって61位。ランキング最高位は2012年の43位で、スコアは6.064でした。日本人の感じる幸福度自体はあまり大きく変わっていないが、相対的には下がってきているわけです。
では、いったい何が、人々の幸福度の自己評価に影響を与えているのでしょうか?
いろいろ考えられますが、この調査では次の6項目を説明要因としています。
①社会的支援(自分が困ったときに助けてくれると信じられる人がいるか)
②1人当たりGDP(統計値)
③健康寿命(統計値)
④自由(自分の人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
⑤寛容さ(最近、寄付をしたことがあるか)
⑥腐敗の程度(政府や企業における腐敗はどのくらい蔓延しているか)
で、日本の場合は項目ごとのランキングはこうなっています。
https://data.worldhappiness.report/country/JPN
①社会的支援 44位
②1人当たりGDP 28位
③健康寿命(統計値) 2位
④自由 85位
⑤寛容さ 122位
⑥腐敗の程度 29位
要約すると、「腐敗は少ない社会で、そこそこ豊かで長い人生を生きられるが、選択の自由はあまりないと感じており、人には助けてもらえると思っているが、寄付を出す財布のヒモは固い」、といったところでしょうか。
④自由と⑤寛容さが、幸福度を下げている(向上を阻んでいる)ように見受けられますが、寛容のところは、寄付(お金)に限定されているので、それ以外の日常の人助けとか優しさは調査結果には反映されていないでしょう。
調査結果を詳しく知りたい方は下記資料ご参照ください(本記事もこれらを参照して書きました)。
※朝日新聞解説記事(2026.03.22)
※ウェルビーイング学会解説資料(日本版ワールドハピネスレポート2026)
※日本のWHRスコア・ラインキングの推移
※World Happiness Report 2026
さて、この調査結果、ただ読むと「ふ~ん、そうなんだ」で終わりですが、もし、自社の経営に反映させようと思ったら、どのようなことを考えたらよいでしょうか?
上記の6項目が幸福度の説明要因であるならば、この6項目を改善することで、幸福度の向上という結果を得られるはずです。
たとえばこんな感じでしょうか?
①社会的支援➡お互いに助け合える職場の人間関係を育む
②1人当たりGDP(統計値)➡役員報酬と給与水準を上げる
③健康寿命(統計値)➡健康経営に取り組む
④自由➡経営者と社員の願望を知り、叶える
⑤寛容さ➡社会貢献やCSV事業化に取り組む
⑥腐敗の程度➡会社のガバナンスを整える
①~⑥が改善される➡経営者も社員も幸福度が上がる
本章では、こうしたことも念頭に、経営者も社員も幸福になる会社づくりについて論を進めてまいります。
あなたの会社の経営者・社員の幸福度は何点ですか?