有限会社 サステイナブル・デザイン

4.2 基本の環境マネジメント:法令遵守・負荷軽減・公害防止(第2部・第4章・第2節)

26.06.09
4バリュー経営
dummy


永続を目指し続ける~非上場・中堅・中小企業のための「持続可能な経営の設計技法」~
今回は、青字の部分です。

第2部:4バリュー実現のための経営技法(各論)(ToDo)
4. 健全な環境

4.1 「経営課題」としての環境問題

4.2 基本の環境マネジメント:負荷軽減・環境安全・公害防止

4.3 21世紀の3大課題:脱炭素・循環経済・生物多様性

 

※本記事の無断引用・転載・複製・配布等はご遠慮ください。
※予告なく記事内容の訂正・修正・補足等を行うことがあります。

4.2 基本の環境マネジメント:負荷軽減・環境安全・公害防止

2003-2006年度には立教大学観光学部で環境社会学、2018-2019年度には関東学院大学建築・環境学部で環境マネジメントの講義を、非常勤講師として担当しました。

どの年度の講義も、第1回で必ず聞いたのが、
「あなたの知っている環境問題をあげてください」
という質問です。

どの年度も、温暖化、森林破壊、オゾン層破壊、砂漠化・・・など、いわゆる地球環境問題はすぐにあがってきました。

一方、どの年度も、あがってこなかったのが、公害問題です。いわゆる典型7公害:大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭については、「こういう問題はないですか?」と問うと、「ああ、そういえば」という反応でした。

環境の日(6月5日)に公表されたばかりの令和8年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書には、「環境のまなざしで見る昭和100年」という特集ページがあります。これをみると、環境問題の認識におけるジェネレーションギャップが大きいのもうなずけます。

2003-2006年の大学生はおおむね1980年代後半生まれのいわゆるミレニアル世代、2018-2019年の大学生は1990年代末から2000年代初頭生まれのZ世代。
公害防止の法体系が整ったのが1970年の「公害国会」で、そこから企業が費用負担して公害防止対策を講じることが「当たり前」(外部不経済の内部化)となりました。

ですから、どちらの世代も、ものごころついたときには、生活環境の改善はかなり進み、公害を実感することはあまりなく、学校での環境教育も地球環境問題にフォーカスしていたのでしょう。

しかし、企業の環境対策としては、やはり、環境法令遵守を前提として、環境負荷の軽減・公害防止に取り組むことが基本中の基本です(現時点では、典型7公害だけでなく化学物質管理も重要です)。

その上で、21世紀の1/4を過ぎた現時点での重要3課題:
・カーボン・ニュートラル:炭素中立
・サーキュラー・エコノミー:循環経済
・ネイチャー・ポジティブ:自然再興
にも取り組んでいく必要があります。



こうした企業の環境対応全体を、組織にとって有効なものとして継続的に実施するための仕組が、環境マネジメントシステム(EMS)です。
※EMS:Environmental Management System

国際的に標準化されたのが「ISO14001:環境マネジメントシステム」規格、日本国内で中小企業向けに開発されたのが「エコアクション21(EA21)ガイドライン」です。私自身は、2005年~EA21審査員として100件以上の審査を担当してきました。
また、EA21地域事務局東京の運営にも関わっています。

重要なのは、EMSは、環境対策の管理ではなく、環境面に着目した経営管理のツールである、ということです。

前節で述べたように、環境問題は自業他損の構造です。
これを改め、自業他得にするのは企業の社会的責任ですが、
良い意味で、自業自得(コスト削減➡利益創出)しても、何の差支えもありません

30年続いたデフレ時代には、環境負荷軽減を通じたエネルギーコストの削減、歩留まり向上等を通じた資材・原材料購入費の削減等のメリットは、ないよりはあったほうがいい、ぐらいだったかもしれません。

しかし昨今、エネルギーコストの高騰、資材・原材料の高騰、さらには調達難による事業・利益への圧迫は無視できなくなっており、環境負荷削減による短期的・現金的なメリットの価値は高まっています

よくある「思い込み」に、「環境はお金がかかる」「儲からない」がありますが、資源・エネルギーを使っているということは、それにお金を支払っているわけです。

また、廃棄物処理費は、廃棄物を捨てるために払うお金ですが、、、
よく考えてみてください。

その廃棄物、元々は自社がお金を出して買ったものですね?
もらったものでなければ。

「お金」で資材・原材料・備品などを購入すると「資産」になり、
その「資産」が不要になると、
廃棄物処理費という「経費」をかけて処理し、
「お金」を支払っているわけです。

縮めると、「お金」を捨てるために「お金」を払っていることになります。
もったいないですね。

つまり、環境負荷を減らすためにお金がかかるとしたら、それはコストではなくて、投資と考えることができます。

仮に、1万円かけて5万円経費が減るなら、差し引き4万円の利益創出ですね。元々5万円経費を払っている、ということを忘れていると、新たに支払う1万円だけに目がいってしまいますが、それはいわゆる片手落ち。

本当にそうなるかどうかは、ケースバイケースなので、計算してみましょう。

あなたの会社は、どんな自業自得の可能性がありますか?

そんな可能性あるわけないでしょ、とハナから決めつけていると、機会を見逃しているかもしれませんよ。

★ご感想・コメントお待ちしてます➡こちらからどうぞ!
★無料相談ご希望の方は➡日程調整フォームからどうぞ!