あなたは何大使?「勝手大使」のススメ
勝手に政治家を押す「勝手連」、
好きなアイドルなどを応援する「推し活」、
など、頼まれていなくても、人は勝手に応援するのが好きなようです。
私の場合は「勝手大使」。
ただし、応援するのは特定の人物というより、モノ・コト・場所、など。
はじまりは●●島●●大使
実は私、2007年~2024年まで18年間
(コロナ禍で中止になった2020年を除く17回)、
「島づくり人材養成大学」の講師を務めておりました。
この「大学」は公益財団法人日本離島センターが主催する
離島人材を対象とした研修プログラムです。
累計で300名以上の方が受講されました。
当初はその年ごとの共通テーマを設定した研修プログラムでしたが、
2013年度から、受講者1人ひとりの「やりたいことを、やりやすくする」
ための大幅リニューアルを行いました。
そこで導入したのが「●●島●●大使」というやりかた。
受講者1人ひとりに
・もし、あなたが自分の島の大使だとしたら、何大使を名乗りますか?
・その大使の目的・役割は何ですか?
・その大使が達成すべき目標は何ですか?
の答えを考えてもらい、相互支援する集合研修プログラムです。
自治体に任命される観光大使などとは違って、
自分で勝手に自分の役割を決めて、
島づくり活動を進めてもらう、
そのための目標と計画(はじめの3歩)をつくる内容。
パーパス、ミッション・ビジョン、
使命とか志命とかいうと抽象的で敷居が高い感じがしますが
「●●島のために私は何をする人ぞ」
を具体的かつ端的に言い表すには、
ちょうどいいのではないかと思って始めました。
受講生の数だけ、いろいろな「島大使」が生まれました。
では、そういうお題を出す西原さんは何島の何大使なのかというと
・・・
離島生まれ・離島育ち・離島住まいではありませんが
・・・
実は、
「ガラパゴス諸島を守る大使」
でした。
「ガラパゴス諸島を守る大使」
私が初めてガラパゴス諸島を訪れたのは1999年でした。
ある日、一本の電話がかかってきて
「西原君、今度はガラパゴス行くからね」
「???はぁ~???」
が、始まりでした。
1996~98年度の3年間、フィジーをフィールドとした
エコツーリズムプロジェクトに関わっていたのですが、
それが終わったと思ったら、プロジェクトリーダーから
次のフィールドとして、ガラパゴスへのお誘いでした。
そのときまで、とくに生き物に興味があったわけではなく、
ガラパゴスという名前もどこかで聞いたような聞かなかったような、
のレベルで、ほとんど予備知識もありません。
ろくに予習もしないまま、
プロジェクトメンバーの一員として、
現地に行ってしまったのが私のガラパゴス初体験。
(どんなプロジェクトだったかは機会があれば詳述したいと思います)
ともかく、そうして始まったガラパゴス歴が、
2005年にNPO法人ガラパゴスの会(JAGA)
の設立に発起人から関わり、理事就任、
そして初代事務局長(2005-2010年度)
ということになってしまいました。
そういうわけで、当時から現在に至るまで
★日本国内でのガラパゴス保全資金のファンドレイジング活動(設立前から継続)
★チャールズ・ダーウィン財団との相互連携協定締結(2006年)
★新書「ガラパゴスのふしぎ」分担執筆(2010年)
などを通じて、地球上で唯一無二の進化の実験室ガラパゴスを守る
活動に参画・参加しています。
なぜ、ガラパゴスなのか?
さて、そうした活動をしていると、よく聞かれるのがこの質問です。
正直申し上げて、最初の時点で、私には何の理由もありませんでした。
「西原君、今度はガラパゴス行くからね」
の電話があったからです、としか言いようがありません。
しかし、行かないという判断も選択肢もありました。
「???はぁ~???」と思いながらも、
ガラパゴスに行くという判断と選択をしたのは私です。
なぜ行くことにしたのかは、その時点では我ながら「謎」でした。
JAGA設立の際も、事務局長を引き受けなくてもよかったのですが、
引き受けました。
やはり、その時点では明確な理由はなかったのですが、
「いずれ何かの芸のこやし」
にはなるだろう、何になるかは、その時になればわかるだろう、
ぐらいの、ある意味「雑」な判断でした。
後付けでいえば、私は「社会学」出身なので、
半世紀前までほとんど人が住んでいなかったこの諸島に
今は万人単位の人が住んでいる、いったいこれからどのような
社会になっていくのか、社会が進化していくプロセスを
リアルタイムで目撃できるかも、という視点はありました。
しかもその場所が、チャールズ・ダーウィンが進化論の着想を得た
ガラパゴス諸島という特異な場所。
人間が近づいても、生き物が逃げない唯一無二の場所。
(これは後から、私にとってじわじわと大きなインパクトになってきました)
そして、開発が進む前に、陸地面積の96%が保護区域に指定され、
地球上でもっとも自然保護に有利な場所。
このガラパゴスの唯一無二の生態系を守れなければ、
いったい地球上のどこの環境が守れるというのか?
そういう「負けられない戦い」をしている人たちが現地にいる、
自分は日本から、この人たちを助ける!
こんな使命感を勝手に抱いたように思います。
ガラパゴスとの縁は「たまたま」の「外来」でしたが、
こうして「内発」的理由をもって
私はガラパゴス諸島の保全に
かかわることになっていったのです。
結果的に、「サステイナブル」をライフワークとする私の
視野が大きく広がることとなりました。
そして「いずれ何かの芸のこやし」の「施肥効果」は意外と早く、
島づくり人材養成大学講師という仕事になって現れ、
18年も長く効き続けることとなりました。
ガラパゴス原産地証明コーヒー
さて、ガラパゴスを守る大使としての
私の「いまいま」のミッションは、
ガラパゴス原産地証明コーヒーの日本国内での流通を通じて、
ガラパゴス現地での持続可能なコーヒー事業と、
絶滅のおそれのあるガラパゴス固有の植物の保全・再生
を支援すること
です。
すでに小規模な取組は始まっています。
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【限定販売】フェアトレードの最高級「ガラパゴスコーヒー」
1袋ご購入のごとに、現地の農家が森林再生のために
スカレシア(キク科固有種)の苗を2本植林する費用
を現地に寄付する仕組みです。
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ちなみに本記事冒頭の写真に写っている「木」がスカレシアです。
でも、「キク科固有種」なので、樹木ではありません。
元々はキク科の植物(言ってみれば「草」ですね)が
大きいものでは高さ10m以上、直径20-30cmにもなるのです。
樹木ではない証拠に、「幹」を切った断面に年輪はありません。
今年、ビジネスモデルとビジネスモデルを確立して
ガラパゴス保全の志あるパートナーを増やしていく活動を始めます。
いずれご案内できるタイミングになったらお知らせしたいと思います。
あなたは、何大使?
さて、元に戻って「●●島●●大使」の問いを再び。
・もし、あなたが自分の島の大使だとしたら、何大使を名乗りますか?
・その大使の目的・役割は何ですか?
・その大使が達成すべき目標は何ですか?
「自分の島」を、あなたの好きな
「モノ」「コト」「場所」などに置き換えれば、
あなたもその瞬間から「勝手大使」になれます。
もしかしたら、すでにもう、「勝手大使」としての
人生を歩んできているかもしれません。
ぜひ、あなたの●●大使、教えてください!
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※今日の内容は、書き始めた本の目次の第4章「健全な環境」
・21世紀の3大課題:脱炭素・循環経済・生物多様性
の節に関連するコラムになります。