LINE等のSNSでの連絡を認める場合はルール化が必要!

16.12.09
業種別【介護業】
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ITの進化とスマートフォンの普及により連絡を取るための手段は多種多様になりました。
メール、LINE、Facebook、チャットワーク、各種の通話アプリなど数え上げればきりがないくらいさまざまな連絡手段があり、いずれも簡単にコミュニケーションを取れます。 

各種通話アプリは、相手と気軽に連絡が取れるという機能だけではなく、写真や画像ファイルを送ったり、グループチャットで連絡を取り合ったりと非常に便利な機能が増えています。
そのため、今や世代を超えて利用されるようになりました。

ビジネスにおいても大いに活用されており、社内のプロジェクトや連絡用にLINE等を利用する会社も増えてきています。
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介護業界では、LINEを利用して高齢者がケアマネージャーや遠方の家族と連絡を取り合うケースが多いです。
また、宅配スーパーに注文したりできるロボットシステムが開発されたとの報道がありました。
このシステムは、高齢者がロボットに話しかけた音声をテキストデータに変換し、LINEを通じて相手側にメッセージを送ることができます。
一方、家族やケアマネージャーらが高齢者にLINEで送信した文章を、ロボットが音声に変換して高齢者に伝えることができる仕組みになっているそうです。

労務管理面では、ヘルパーなどの介護職員の出勤要請やシフト調整にもLINEが利用されたりと、活用の幅は広がっています。 

ただし、これら通話アプリは、使用するのは人間です。
多大なメリットがある一方で、使い方やマナーを間違えてしまえば、トラブルが増えてきます。

介護現場においても、利用者の個人情報を勝手にLINEで共有したり、スタッフが施設や上司の誹謗中傷をLINEやSNSに書き込むことによるトラブルが増えています。 
そもそもLINEやFacebook等は急激に普及されたツールですから、法律や裁判での判例がありません。
そのため、業務で利用するのであれば、一定の基準やルールを決めておく必要があります。 

例えば、就業規則や服務規程でLINE等のSNSの利用について「許可する内容」「利用できる時間帯」「禁止事項」等を決めておくことで、利用範囲が明確になります。
ルールを守らないスタッフに罰則を設けることも可能です。 

身近なところでよく問題になるのが遅刻・欠勤等の連絡対応です。
LINEでの連絡は手軽にできますので、始業時間直前に遅刻や欠勤の連絡を入れて現場が混乱するケースもよくあります。
対策としては、「LINE等のSNSでの遅刻・欠勤の連絡は原則として禁止し、直接電話にて連絡すること」と規程すれば、介護施設のルールとして取り扱うことが可能になります。 


■就業規則等での規程例■ 

第○条(携帯電話・スマートフォン等の利用について) 

・業務時間中に携帯電話やスマートフォン等の私的利用は原則として禁止する。
 ただし、やむを得ない事情がある場合には、事前に会社の許可を得た上で利用を許可することがある。 
・業務を行うにあたっては会社より使用を許諾されたSNSによるチャット・メッセンジャー機能のみを
 使用し、個人で使用するチャット等に利用者の個人情報及び業務を通じて知り得た情報を掲載することは
 厳禁とする。 
・遅刻・欠勤等の連絡については、原則としてLINE等のSNSでの連絡は禁止する。
 ただし、やむを得ない事情があると会社が判断した場合に限り認めることがある。 


LINE等のSNSを業務で使う場合、利便性がある一方で弊害もあることを十分検討した上で、明確なルールを整備し、社内制度化する必要があるのではないでしょうか。


介護事業最前線 


[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)