「地域包括ケア」

16.01.08
業種別【医業】
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昨秋封切された映画「マイ・インターン」を観ました。

ロバート・デニーロ演じる75歳の主人公は、妻を亡くして3年、することもなく、ただ毎日体力づくりの太極拳と、新聞を読むために通うカフェとの往復の生活。物足りなさを感じていたときに見かけたチラシで、「もう一度社会で生きがいを感じる毎日を過ごしたい!」と、新興のネット通販会社の見習い社員に応募。女性創業社長の秘書に採用されます。

Tシャツスタイルの若者の中、一人きちんとプレスされたスーツとネクタイ、クラシックな革の鞄で出社し、全員がiPhoneを使うなか一人ガラ携を使用。ITの知識はなくても、長い社会経験で培われた洞察力と知恵、包容力で彼らに慕われる存在になっていく…。

高齢社会が必ずしも介護社会ではない、ということを改めて感じる映画でした。
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年金が減る一方の日本でも、70代で働くのは当たり前、という時代もそう遠くないうちに来るのではないかと思えます。クリニックの先生方には定年がありませんので、先達と言えるかもしれませんが。 

国の唱える「地域包括ケアシステム」の3本柱は、医療、介護、保健(介護予防)ではありますが、その柱の土台に「住まい、住まい方」と「生活支援」が含まれています。先行的な自治体の取り組みを見ていても、「高齢者の居場所づくり」にも配慮しています。閉じこもりを防ぎ、社会とのかかわりを持つことによって心身の健康を保つ。ベースとなる大きなテーマは「自立支援」なのです。 

高齢者が慢性疾患を持ちながらも、どう自立し、フレイルや寝たきりにならずに済むか…。先生方の言葉のかけ加減、投薬のさじ加減も自立支援につながります。日々、地域で日常診療に尽力されている先生方には、自立支援の担い手として、ぜひ力を発揮していただきたいと願っています。


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[プロフィール] 
中保 裕子(なかほ・ゆうこ) 
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。  
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