試用期間はどれくらい設ければいいの? 「1年」でも大丈夫?

15.04.12
ビジネス【労働法】
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「この社員はやめてほしい」。そう思ってしまう社員を雇っている会社は意外と多いそうです。しかし、正社員を解雇するには解雇予告手当を払う必要があり、正当な理由がなければなりません。正社員を解雇するのは簡単ではないのです。そうなると、採用する段階で慎重にならざるを得ません。そうはいっても、一度や二度の面接で当社に合っているかどうかなんて分かるものではありません。「試用期間を1年ぐらい取って、その間でゆっくりと判断できないものか」。こんな風に考えてしまうのも無理がありません。
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試用期間の長さは、法律では具体的に定められていません。判例では「ブラザー工業事件 名古屋地裁昭和59年3月23日判決」において、合理的範囲を越えた長期の試用期間の定めは公序良俗に反し、無効であるとされています。どれぐらいの期間であれば、公序良俗に反していないのか? 労働者の労働能力や勤務態度等についての価値判断を行うことができるのか? という観点で試用期間の長さの妥当性が決まってきます。

労働基準法第21条では、試用期間が14日以内ならば、解雇予告手当を払わなくてもよいことが定められています。逆に言うと14日を超えると解雇予告手当が必要になるということです。しかし、たった14日で判断できますか?

解雇予告手当を払う必要があるかどうかとは別に、試用期間中であれば解雇が正当な理由であると判断される基準が正社員と比べると緩やかです。試用期間は14日よりも長い期間を設けたいと思っている会社は多そうです。

しかし、それは同時に、労働者の置かれている立場が不安定な期間が長くなることを意味します。一般的には試用期間を3ヵ月以内で定めている会社が多いようです。就業規則で試用期間の延長を定めたとしても、もともとの試用期間と合わせて6ヵ月以内とするのが妥当なところです。1年を超えてくると公序良俗に反すると判断される可能性が高くなります。


判例でカンタン理解・労働法


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