組織のトップは「プレゼン=ミーティング」の「舞台設定」に留意しよう!

15.02.04
ビジネス【人的資源】
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インターネットの検索エンジンに「ビジネス」「プレゼンテーション」というキーワードを入れる。
何百万(!)というヒット数がある。
プレゼンを成功させるためのスキルが、業種を超えて求められているのだろう。

プレゼンをスポーツの世界に当てはめると、ミーティングが近い。
支配下選手を前に語るこの時間は、監督と呼ばれる者が組織のコンセプトなどを伝える大切な時間である。
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スポーツの視点からみる人的資源

多くの指導者が留意するのは舞台設定だ。

部屋の広さと人数が合っているか──椅子と椅子の間が広すぎると、足を投げ出したりして姿勢が悪くなる。
それによって、聞くことに対する姿勢も崩れてしまう。

暗い部屋に押し込めていないか──午前中からうす暗い部屋に集められると、人間の気持ちは陰鬱になる。
好天の日はなおさらだ。
窓のない地下の部屋は、絶対に利用しないという監督は多い。

選手が空腹を感じていないか──食事前のミーティングは集中力が落ちる。

所要時間を考えているか──学校の授業は一コマ何分かを、組織のリーダーは考えるべき。
最高の集中力で他人の話を聞き取れるのは、小中学校の授業時間と同じくらいである。

上記の条件を満たす設定として、14時から15時に、明るい空間で、ミーティングを始めるとしよう。
ここまでは準備段階だ。
大切なのは何をどのように伝えるのか、である。

「ミーティングの前にはパワーポイントを使って資料を作ったり、映像も用意したりしますが、使わないこともあります。自分が準備したものをその通りに話すだけでは、選手に伝わらないこともありますから」

こう話すのは曺貴裁(チョウ・キジェ)監督である。
昨年のJ2リーグで他を寄せつけない強さを見せ、今年から2年ぶりにJ1リーグへ復帰した湘南ベルマーレの指揮官だ。
周囲から「プレゼンの達人」と呼ばれる彼のノウハウは、次回に詳しくお伝えしよう。


[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。
 
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