借金の返済が限界に! 覚えておきたい任意整理と法的整理

23.07.11
ビジネス【法律豆知識】
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日々の生活のなかで、手持ちのお金がないときに少額のキャッシングをしたことや、大きな買い物をしたときにリボ払いを設定したことにより、知らず知らずのうちに借金が増えてしまったという話は珍しくありません。
毎月の返済が順調にできているうちは問題ありませんが、急に収入が減ったなどの理由で返済が難しくなったらどうすればよいのでしょうか。
法的観点から、借金返済について説明します。
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借金問題の解決方法は大きく分けて二通り

借金を抱えてしまって返済が不可能になった場合、まず必要なのが『債務整理』です。
債務整理とは、債務の減額や免除、支払い期間の調整などを行うことで、借金問題を解決する手段です。
大きく分けると、債権者と任意に交渉をして行う『任意整理』と、裁判所に申立てをして行う『法的整理』の二通りがあります。

債務整理のなかで最も多く行われているのが、任意整理です。
任意整理とは、クレジット会社や貸金業者などの債権者と交渉し、利息をなくしたり毎月の支払い額を減らしたりして、債務者が無理なく返済ができるようにする手続きのことをいいます。
債権者と債務者が任意で話し合って和解を目指すもので、どのような内容になるかは債権者次第です。
弁護士が代理人となって交渉する場合は、今ある債務の元金のみをおおむね5年程度の長期にわたって分割返済することで和解をするのが一般的です。

借金を返済できない人の多くは、利息の支払いが難しいパターンがほとんどといわれています。
任意整理をすると利息の支払いが不要になり、返済をすれば確実に元金を減らせるのがメリットです。

もっとも、債権者の数が多かったり借金額が大きかったりすると、利息をなくしてもなお毎月の支払いは高額のままという場合もあるため、借金返済が必ず楽になるとはいえません。
任意整理をして毎月の支払い額を減らしても、返済することが難しい場合は、裁判所を通した法的整理を検討することになります。

法的手段である個人再生手続と破産手続

次に、法的整理について説明します。
個人が債務を整理する法的手続をとる場合、『民事再生(個人再生)』と『自己破産』という二通りの方法があります。

民事再生(個人再生)とは、現在の借金が返済困難であることを裁判所に認めてもらい、減額された債務を3~5年かけて支払うという手続きです。
所有している財産を手放さず、代わりに財産の価値に相当する金額を支払います。
住宅ローンに限っては今まで通りの支払いが認められているため、借金はあるけれど自宅不動産を残したいという人にとってはメリットの大きな手段だといえるでしょう。

一方で、大幅に減額されるとはいえ長期間の支払いが続くことから、定収入がない人や家計に余裕がない人は、裁判所に申立てをしても認められないことがあります。
そのような場合にとる手続きを、自己破産といいます。

こちらは所有している財産を手放す代わりに、すべての債務が免除されるというものです。
借金返済の義務がなくなるため、生活を立て直したいと考える人にとっては最も有効な手段といえるでしょう。
しかし、浪費やギャンブルで作った借金が多いと免責が認められないケースや、養育費など破産をしても免責されない類型の債務もあります。
また、破産手続中は一定の資格制限があり、職業によっては手続中の3~4カ月ほど就業できなくなるため注意が必要です。

借金の返済に行き詰まった、もしくは自己破産したとしても、すべてを失うわけではありません。
もしも借金の返済が困難になったら、解決の選択肢を増やすためにも、早いうちに専門家に相談しましょう。


※本記事の記載内容は、2023年7月現在の法令・情報等に基づいています。