外国人観光客の集客アップにつなげる魅力的なメニュー表のつくり方

22.12.27
業種別【飲食業】
dummy
入国制限の見直しと円安の追い風を受け、徐々に外国人観光客が戻りつつある日本。
日本政府観光局(JNTO)の『2022年 訪日外客数(総数)』によると、2022年10月の訪日外客数は49万8,600人と、9月の20万6,500人から大幅に増加しました。
飲食店としても増加する外国人観光客のニーズに応えるための対策が求められます。
今回は、飲食店が準備しておきたい外国人観光客向けメニュー表のつくり方と注意点について、ご紹介します。
dummy
外国人にも選びやすいメニュー表のポイント

2022年秋に新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、日本を訪れる外国人観光客が増加しています。
外国人観光客の集客は飲食店の売上アップにつながるチャンスではあるものの、そのためにはメニュー表や店内の案内を工夫し、外国人観光客が入りやすい店にする必要があります。

外国人観光客を呼び込むために、飲食店が取り入れたいメニュー表のアイデアとして、以下があげられます。

●料理の写真を掲載する
外国人観光客向けのメニュー表には、各メニューの写真を載せるようにしましょう。
文章だけのメニューよりも視覚的に目を引きやすくなるのはもちろん、メニュー名だけでは想像しにくい料理も、写真があればどのような料理が出てくるのか容易にイメージすることができます。
宗教上の理由から食べられない食材がある外国人観光客にとっても、一つひとつのメニューに写真が載っていれば、自分が食べられるかどうかを判断する助けになります。

●おすすめのメニューをピックアップする
日本の料理になじみのない外国人観光客の場合、料理名しか載っていないメニュー表を見てもどのような料理なのかわからず、何を頼めばよいか悩んでしまうことがあります。
このような場合は、外国人観光客におすすめのメニューをいくつかピックアップして載せることで、日本の料理をよく知らない人も選びやすくなります。

●ナンバリングする
外国人観光客向けのメニュー表に掲載する料理名には、それぞれに番号を振っておくことをおすすめします。
ナンバリングすることで外国人観光客が注文しやすくなるうえ、オーダーを受けるスタッフも確認しやすく、スムーズに注文が通ります。
少しの工夫で双方にメリットがあるため、メニュー表をつくる際は取り入れるとよいでしょう。

●正しい食べ方を説明する
メニューには料理の写真や説明だけでなく、正しい食べ方も、記載しておきたい内容です。
正しい食べ方や食べる順を知っていれば、初めての料理に挑戦するハードルを下げることができます。
細かい食事マナーまで記載する必要はありませんが、外国人のお客が食べ方に迷うことがないように配慮しましょう。

また、料理のメニュー表だけでなく、店内の案内にも工夫が必要です。
外国人のお客が迷うことがないように、喫煙・禁煙エリアやトイレの場所などはPOPを用いて案内するとよいでしょう。
メニュー表と同様に、POPにも写真やイラストを用いると視覚的にわかりやすくなります。


食べられない食材について把握しておく

飲食店が外国人観光客向けのメニュー表をつくるときは、宗教上の理由によって食べることが禁じられている食材について知っておく必要があります
たとえば、イスラム教では豚肉や豚肉を使ったハム、ソーセージ、ラード、アルコールなど、ヒンドゥー教では牛肉や豚肉、動物の骨を使ったエキス、バター、ラードなどがタブーとされています。
これらの食べられない食材を使ったメニューを把握し、外国人観光客が来店した際には事前に説明できるよう準備しておきましょう。

同様に注意したいのが、ベジタリアン(菜食主義者)の人々です。
ベジタリアンにも複数のタイプがあり、たとえば植物性食品のみを食べる人は『ヴィーガン』、植物性食品と乳製品を食べる人は『ラクト・ベジタリアン』と呼ばれています。
それぞれのタイプによって食べられるもの・食べられないものを把握し、こちらも説明できるよう準備しましょう。

いずれも注文や予約を受ける際にどのように確認するか、応対マニュアルを作成してスタッフ間で共有しておくとよいでしょう。

日本とは異なる文化や価値観を持つ外国人観光客のニーズに応えるためには、多様な視点で対策を講じる必要があります。
飲食店としては負担になる部分もありますが、外国人観光客が戻りつつある状況において、外国人観光客を呼び込む施策は店の売上アップに直結します。

今回紹介したメニュー表や店内案内のアイデアを参考に、できるところから工夫してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2023年1月現在の法令・情報等に基づいています。