営業活動の最適化に必要なデータの『名寄せ』を行おう!

22.12.13
ビジネス【マーケティング】
dummy
近年は、営業活動において営業支援ツール(SFA)や顧客管理システム(CRM)などで顧客データを管理することが増えてきました。
クラウドタイプのSFAやCRMも多く、出先からであっても誰もが情報を入力できる便利さがある一方で、複数人が個別に入力するため、表記に揺れが生じる可能性があり、結果としてデータが重複してしまうこともあります。
データの重複は、適切な営業活動を阻害する要因の一つです。
そこで、複数の散らばった情報を一つに集約し、営業活動の効率化を図る『名寄せ』について説明します。
dummy
さまざまなルートから集まる顧客情報が混乱の元

名刺交換はもちろん、資料請求やメールフォームからの問い合わせ、セミナーやイベントでの交流に至るまで、顧客情報はさまざまなルートで集まります。
基本的には、顧客と接点を持った社員がその顧客情報をSFAやCRMへ入力することになりますが、入力する際のルールを設けていないと、それぞれの入力した情報が別データとして扱われ、一人の顧客情報が重複して存在することになってしまいます。

SFAやCRMに顧客情報が重複していると、営業活動を行ううえで、さまざまな問題が生じてしまいます。
たとえば、一人の顧客に同じ内容のダイレクトメールを送ってしまう、複数の営業担当が一人の顧客にアポイントを取ってしまう、という問題が考えられます。
既に取引を解約した顧客や見込み客ではない顧客にアプローチしてしまう可能性もあるでしょう。

こうした状態では、顧客の信用を失うだけでなく、正確なマーケティング分析もできず、社員に無駄な仕事をさせることになってしまいます
従量課金制のSFAやCRMの場合は、重複データが予算を圧迫することにもなりかねません。

そこで重要なのが、データベース上で複数に分散している情報を統合する名寄せです。
一人の顧客に対し、正しい氏名や住所、メールアドレス、電話番号などの情報が紐づけられていれば、効率的な営業活動やマーケティング活動が行えるようになります。


表記統一させるためのルールづくりが重要

名寄せを行うためには、まずデータベースの調査を行わなければいけません。
どのような形式で顧客情報が登録されているのかを確認し、最終的にどういった形でデータを整理するのか、ルールを決める必要があります。
たとえば、同じ情報でも、項目名が『会社』『会社名』『企業』などで分かれていた場合、『会社』に統一すると決めてしまいます。
また、あるデータでは『都道府県・市町村・番地』などがそれぞれの項目に入力されていたのに、別のデータでは『住所』の項目にすべての情報が入力されていることもあります。
この場合も、入力方法のルールを決めておきましょう。

ほかにも、『株式会社』なのか『(株)』なのか、『1丁目2番地』なのか『1-2』なのか、全角なのか半角なのか、細かくルールを決めておかなければ、表記の揺れを正して情報を統合することができません。
特殊記号や人名の異体字などにも注意しておきたいところです。

ルールが決まれば、顧客を特定するための項目を抽出しながら、ルールに沿って表記を統一していきます。
不要な情報を削ったり、表記の揺れを正して編集したりするこれらの作業は『クレンジング』といいます。
顧客データが膨大でクレンジングを行う人員がいない場合には、クレンジングツールの活用や、クレンジングを専門に請け負う会社への外注なども視野に入れましょう。

クレンジングが完了したら、クレンジング後のデータにそれぞれIDを付与し、データ同士をマッチングさせていきます。
そして、重複しているデータがあれば削除していき、名寄せが完了します。
また、クレンジングを始める前に決めた入力に関するルールを社員に周知することも忘れないようにしましょう。

会社の成長に伴い顧客情報はどんどん増えていきます。
適切に顧客データを管理できていれば、それは企業にとって大切な資産となりますが、顧客情報が重複していたり、無駄な項目が含まれていたりすると、営業活動に役立たないデータとなってしまいます。
顧客に適切なアプローチを行うためにも、定期的に名寄せを行い、顧客データを整理しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年12月現在の法令・情報等に基づいています。