『Web3』とは? 次世代のネットの在り方を考える

22.08.30
ビジネス【マーケティング】
dummy
インターネットの活用方法は時代ごとにいくつかの特徴があり、それらの総称として、『Web 1.0』や『Web 2.0』といったキーワードが使われています。
2022年に入ってからは、さらに新しい概念『Web3(Web3.0)』が注目を集めています。
これからより一層浸透すると予想され、知っておくと、インターネットビジネスやマーケティング施策を練るうえで助けになることでしょう。
そこで今回は、Web3の概要を説明します。
dummy
Web3に至るまでの変化を振り返る

インターネットの起源は、1960年代にアメリカで研究が行われていたパケット通信のネットワークでした。
1982年頃には、世界中をネットワークで相互接続して通信する―インターネットという概念が生まれます。
そのインターネットが一般にも広く普及したのは、Windows95が発売された1995~2000年にかけてでした。
最初期のインターネットは雑誌や新聞の延長線上にあり、コンテンツはテキストが中心で、画像はほとんど静止画でした。
HTMLでつくられたサイトをユーザーが閲覧するというスタイルが主流で、画面のスクロールは一方向のみというのが特徴です。
この時代のインターネットを、Web 1.0と呼びます。

そして、時代が進むにつれ技術も進化していき、誰でもブログやSNSで情報を発信できるようになり、発信者と受信者、双方向でのやりとりが可能になりました。
この2005年から現在までの時代を、Web 2.0と呼びます。
Web 2.0では、閲覧しかできなかったWeb 1.0の時代とは異なり、Web 2.0ではユーザー同士がコミュニケーションを取れるようになりました
また、サイトはテキスト一辺倒だった時代とは違い、音声や映像などが主流となり、Google、Amazon、Facebook、Appleの4社、いわゆるGAFAなどのプラットフォーマーが台頭していきます。
いまや、インターネットサービスを語るうえで、GAFAなどの主要IT企業群を外すことはできません。
インターネットは、長い間、このWeb 2.0という概念のもと展開されてきました。

そして今、Web 2.0から次世代に移り変わろうとしています。
それが新しいインターネットといわれる『Web3』です。


Web3を支えるブロックチェーン技術とは?

Web3は、『ブロックチェーン技術をもとにした次世代の分散型インターネット』といわれています。
ブロックチェーンとは、ネット上の取引の記録をブロックとして保存し、チェーンのように時系列につなげていくことで、改ざんを困難にさせる技術です。
改ざんが難しいということは、個人間の取引も安心して行えるということでもあり、今話題のNFT(非代替性トークン)や仮想通貨、暗号資産などにも使われています。

ほかにも、経済産業省では『ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査』の資料内で、ブロックチェーン技術の活用の可能性として、証券取引やソーシャルバンキング、bitcoinによる資産管理、トラッキング管理や金の保管など、さまざまなブロックチェーン技術の使用例をあげています。
また、経済産業省は、ブロックチェーン技術を利用した市場の潜在的な規模を67兆円と予測しています。

次に、“分散型”という部分については、ブロックチェーンの特性で説明することができます。
ブロックチェーンのデータは、Peer to Peer(P2P)という不特定多数の端末がサーバーを介さずに、端末同士で直接データファイル等を共有できるネットワークによって利用者全員で共有するため、これまで大手IT企業が担っていた管理を必要がありません。
つまり、Web3の時代は、主要IT企業群が管理を担っていたサービスを、個人で管理し、利用することになるのです

Web 2.0では、ユーザーの個人情報はプラットフォーマーが管理しているため、ECサイトにはECサイトの、動画配信サイトには動画配信サイトの利用者の情報が集まります。
一部の企業が大量の個人情報を取得することには、プライバシー保護の観点からも問題があるといわれており、一部のサーバーに情報を集約させることもサイバー攻撃などによる情報漏洩やデータ改ざんの危険があると指摘されてきました。
しかし、Web3の基盤となるブロックチェーン技術は、P2Pネットワークを利用するため、Web3では個人が自分の情報を管理することになるのです。

また、サービスを管理するプラットフォーマーがいないため、アクセス制限がかかることもなく、これまで以上に自由にネットを利用できるようになるといわれています。

一方で、自身の情報を漏洩させてしまう危険性や、すべてが自己責任になる懸念なども浮上してきており、現在までにさまざまな議論が交わされています。

Web3はこれからの時代に適合したインターネットとして大きな可能性を秘めています。
今後、Web3の概念を取り入れた事業が増えていくと予想されるので、ビジネス展開に注目しておくとよいでしょう。


※本記事の記載内容は、2022年8月現在の法令・情報等に基づいています。