接客力を底上げする! 美容師個人の能力に頼らない集客のヒント

22.05.02
業種別【美容業】
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美容業界人であれば、『顧客は店ではなく、人につく』という言葉を、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
美容院の集客力は、どうしても美容師個人の人気や技術力に大きく左右されます。
そのため、人気のスタイリストが独立したタイミングでお客さんも移動してしまうリスクがあるのです。
今回は、そういったリスクを減らすための仕組みづくりについて、解説します。
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個人に頼らない『仕組みづくり』を始めよう

美容師個人の人気にばかり頼らないためには、お客の人気を“店に”引き寄せる必要があります。
そのために大切なのが、『仕組みづくり』です。

仕組みづくりで最初に取り掛かるべきは、いつ、誰が接客しても、顧客が同じように満足できるような作業習慣の確立です。
美容院においては、業務の型ややり方を大枠で決めておき、均質な接客と施術ができるように整えておくことと考えればよいでしょう。
仕組みづくりを始めるうえで、まず、決めておきたいのが以下の3つです。

(1)接客時の会話マニュアル
(2)カウンセリングシートの作成
(3)次回予約の確定

あまり厳しく決めすぎる必要はありませんが、これらを申し合わせておくだけでも、人によって偏りがちな接客の品質が均質化されます。

均質化に取り組むにあたり、まず準備したいのが、入店時から店を出るまで、接客の全ての段階における会話のマニュアルです。

仕上がりイメージを聞くときやカラーやパーマなどで薬剤を使用するときに、施術中にお客さんが何をして時間を過ごしたいかを尋ねるなどすれば、会話からさまざまな情報が得られます。
マニュアルがない店舗では、「前回は聞いてくれたのに、今回は何もなかった」と対応に個人差が出てしまいます。
しかし、全員が同じレベルで接客していれば、店としての統一感が作れ、サービス面に不安を抱くことなく、来店してもらえます。

会話マニュアルの作成時は、笑顔、礼儀、所作、丁寧さなど一般的な接客マナーのポイントを押さえながら、自店のメニュー・施術にあわせて項目を追加していきましょう。

ここで注意したいのは、マニュアル通りであっても、機械的な会話にならないようにすることです。
会話の方向性や、デリカシーに関する注意事項などをきちんと定めて、会話はあくまで自然な範囲にとどめておきましょう。


カウンセリングシートで次回予約を獲得する

続いて、次回予約に誘導するための仕組みづくりです。
これは、ただカットや施術をするだけでなく、お客個人を理解するためのものといえます。

まずできることとして、悩みや要望を洗い出す『カウンセリングシート』や『アドバイスシート』の作成があります。
来店者それぞれのカルテのような施術履歴シートを作成しても良いでしょう。
カウンセリング内容についての項目は自院の施術内容に合ったものにします。
このとき、希望するヘアスタイルや来店の動機など、簡単な情報は本人に記入してもらっても構いません。
ただ、より詳細な情報は、口頭で質問しながら美容師が記入したほうが、施術の進行がスムーズになります。

「カウンセリングに時間を設けなくても、施術中に聞き出せばよいのではないか?」という意見もありますが、最初のカウンセリングに時間を割くかどうかで、顧客満足度は大きく変わります
しっかり時間をとって、カウンセリングをしましょう。

カウンセリングが成功すると、信頼度が上がり、次回予約も入りやすくなります。
来店客一人ひとりの髪の状態や髪質、生活環境などを知っていると、「次回、どのくらいの期間を空けて来てもらえばよいか」、「どんな施術をするか」など、先々の提案ができ、顧客の確保につながります。

もし、自院の集客が特定の美容師に頼ってしまっていると感じるなら、まずは全体の接客力をそろえましょう。
接客のレベルとお客の満足度を底上げすることが、経営の安定化にもつながります。
従業員の意見もヒアリングしながら、マニュアル作りに取り組んでみるとよいでしょう。


※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。