介護業界への就職・転職支援制度を活用し、人材不足問題を解消!

21.10.05
業種別【介護業】
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未経験でこれから介護・福祉業界で働く人に対し、最大20万円を支援する『介護職就職支援金貸付事業』が、厚生労働省により創設されました。
指定の職業訓練を修了して介護・福祉の職場に就職することで支援金の貸付を受けることができ、2年間就業をすることで支援金の返済が不要になるものです。
人材不足が続く介護業界にとって、ぜひとも活用したい制度といえるでしょう。
今回は、介護職の人材定着に役立つ『介護職就職支援金貸付事業』について説明します。
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介護職への転職を希望する人を貸付で支援

なかなか収束の目途が立たない新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)。
介護事業所では、施設内の感染防止対策や利用者が感染した場合の対応等に追われ、通常時よりも大幅に介護業務の負担が増えています。
このような状況が続くことにより、介護業界の人材不足問題はさらに深刻化していくことが予想されます。

厚生労働省は、この問題を回避するため、4月1日から介護事業所向けに『介護職就職支援金貸付事業』を創設しました。

この事業は、介護業界で働くことを目指す人や、他業種から介護職への転職を希望する介護職未経験者の就職を支援するものです。
介護業界への人材確保を促進し、新型コロナ感染拡大の影響による『介護崩壊』のリスクを未然に防止することを目的に制度化されました。

介護未経験者や無資格者、無職者等の求職者が、『介護職員初任者研修』などの介護業界に就職するために必要な基礎研修を受講し、介護事業所に就職すると、都道府県社会福祉協議会から最大20万円の貸付金を無利子で受けることができます。

また、その後、介護事業所で2年間継続して勤務すると貸付金の返済が全額免除されるという大きなメリットがあります。
これにより他業界から無資格で介護業界への転職を希望する人の負担が軽減されるとともに、介護業界にとってもより多くの人材の流入が期待されます。


介護職への再就職なら最大40万円を貸付

では、介護職就職支援金貸付事業について概要を説明します。

【介護職就職支援金貸付事業】
<対象者>
介護・障害福祉分野での就業経験がない人(新卒など、他業種での就業経験がない人も対象)
<貸付金額>
最大20万円(1回を限度)
<貸付条件>
指定の研修(介護職員初任者研修など)を含めた職業訓練を修了すること
<用途例>
●子どもの預け先を探す際の活動費
●介護にかかわる講習費や書籍等の購入費(軽微な情報収集や学び直し)
●仕事にかかわる被服費等(ヘルパーの道具を入れるカバン、靴など)
●転居を伴う場合の費用(敷金礼金、転居費など)
●通勤用の自転車やバイクの購入費 
など
<返済免除条件>
職業訓練終了後、介護・障害福祉分野で就業し、継続して2年以上働くこと

この制度のほかにも、介護職の経験や知識を持っている人が、再び介護職に就くことをサポートするための制度『再就職準備金貸付事業』が2016年から実施されています。

介護職として1年以上の実務経験があり、再度介護職に復帰する場合には、介護の仕事に復帰するための費用として最大40万円の『再就職準備金貸付』を受けることができます。
こちらも介護職員として2年以上継続勤務すれば、返済が全額免除されます。

介護職就職支援金や再就職準備金の貸付は、介護事業所や福祉施設で2年以上継続して働くことで返済が免除されますが、途中で離職してしまうと返済義務が発生しますので、注意が必要です。

これらの制度はいずれも介護業界に就職する本人に貸付を行う制度ですが、介護職への転職や復帰を考えながらも、制度について詳しい内容を知らない人も多く存在します。
人材不足に悩んでいる介護事業者は、自社のホームページなどで求人者向けの制度案内を積極的に行い、人材確保に役立ててみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2021年10月現在の法令・情報等に基づいています。