業務の効率化や最適化に活用できる『人材のタイプ別人員配置』

20.07.07
ビジネス【人的資源】
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企業における人員配置とは、各従業員にどんなプロジェクトを任せるのか、どんな業務に携わらせるのかを決めることです。 
事業者は、その仕事に最適な人材をあてることを求められますが、従業員一人ひとりのスキルや適性を把握するのは困難です。
さらに、その従業員の人柄やモチベーションなど、可視化されていない部分も考慮するとなると、一筋縄ではいきません。 
そこで今回は、従業員の特性をタイプ別に分けて、それぞれに適した仕事を振るための『タイプ別人員配置』という方法を紹介します。
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従業員を『タイプ』で分けてみる

人員配置とは、その名の通り、会社の人員を各業務に配置することを指します。
日本には昔から適材適所という言葉がありますが、職場の人員配置こそ、まさに業務における適材適所を求められるものといえるでしょう。

人員配置の決定権を持つ会社の経営者は、一つのプロジェクトに、適したスキルを持つ従業員を適切な人数で配置しなければなりません。
もし人員配置が適切でない場合には、人材コストが余計にかかってしまったり、業務効率が悪化してしまったりすることも考えられます。

そこで、多くの企業が参考にしているのが、従業員をタイプ別に分けて、そのタイプごとに仕事を任せる『人材のタイプ別人員配置』です。
タイプ別人員配置は、経営コンサルタントや、カウンセリングなどの場で多く使われています。
タイプを細かく分けると、さまざまな種類があります。
まずは、比較的わかりやすく導入も簡単な、4つのタイプに分ける方法をみてみましょう。


『ソーシャルスタイル理論』で業務を効率化

アメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル博士が1968年に提唱した『ソーシャルスタイル理論』は、人間を4つのタイプに分け、それぞれのタイプに合った接し方を行うように勧めたコミュニケーション理論です。
従業員それぞれの特性を理解することで、対外的な接客や取引きなどはもちろん、社内での人間関係にも役立つと、さまざまな企業が、この『ソーシャルスタイル理論』を人員配置や人事、採用などに導入しています。

ソーシャルスタイル理論では、縦軸に『感情を抑える』と『感情を出す』、横軸に『意見を聞く』と『意見を主張する』を設定し、それぞれのブロックに人を当てはめていきます。
すると、『意見を聞き、感情を出す人』『意見を聞き、感情を抑える人』『意見を主張し、感情を出す人』『意見を主張し、感情を抑える人』という4つのタイプに振り分けられます。

この4つのタイプには、それぞれ明確な特徴があります。
たとえば、『意見を主張し、感情を出す人』に分類された人は、注目されることを好み、常に人気者で友人も多く、新しいことに敏感でチャレンジ精神も旺盛と特徴づけることができます。
企業内では、営業や商品開発などに向いているかもしれません。

『意見を聞き、感情を出す人』は、ほかの人の意見をすくい上げ、全体の調和を取れる人といえます。
プロジェクトのリーダー、もしくは補佐役などに向いているでしょう。

『意見を聞き、感情を抑える人』は、物事をじっくりと観察して、分析するタイプです。
独自の意見を持っている人が多く、研究開発やマーケティングなどに向いているといえそうです。

最後に『意見を主張し、感情を抑える人』は、理知的で合理性を求める人が多く、結果を重視する傾向にあります。
大きなプロジェクトなどを任せるとよいかもしれません。

事業者は自身の判断はもちろん、他者の意見なども参考にして、従業員をこれら4つの分類に仕分けします。
その上で、適切な仕事を担当させるのがよいでしょう。
また、ソーシャルスタイル理論では、相性の問題も見えてきます
プロジェクトによっては、同じタイプの人たちでチームを固めたほうがよい場合もありますし、逆に、リーダーだけ異なるタイプにしたほうが上手くいくこともあります。

人員配置は、会社内の人事異動や、人材の新規採用などのタイミングで行われることがほとんどです。
次の人事異動や人材採用のタイミングまでに適切な人員配置ができるよう、まずは各従業員をタイプ別に診断してみてもいいかもしれません。


※本記事の記載内容は、2020年7月現在の法令・情報等に基づいています。