会社におけるハラスメント対策に関する行政指針とは?

20.04.07
ビジネス【法律豆知識】
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昨今、ニュースでハラスメント問題が流れることが多々あります。
そんななか、ハラスメント対策について規定した改正労働施策総合推進法(いわゆる『パワハラ防止法』)の2020年6月の施行を前に、2019年12月、行政指針が示されました。
この指針には、パワーハラスメントに関して、企業に求められる内容が書かれています。
企業で働く者として、どのような内容か知っておく必要があるでしょう。
そこで今回は、その詳しい内容を紹介します。
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職場におけるパワハラの定義とは?

職場におけるパワーハラスメントとは、『職場において行われる(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)までの要素を全て満たすもの。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない』とされています。


企業側に求められるパワハラ対策とは?

企業側に求められるパワーハラスメントの対策は大きく以下の2つがあります。
(ア)労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
(イ)その他の雇用管理上必要な措置

指針では、(ア)(イ)について、具体的な内容が示されています。

まず、『(ア)労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備』に関しては、企業側が相談窓口をあらかじめ定めておくこと、そしてそのことを労働者に周知することが必要であるとされています。

また、会社が適切な体制を整備したと認められるには、
・担当者を定めること
・相談に対応する制度を設けること
・外部機関に相談への対応を委託すること
などの整備方法が示されており、担当者は、相談に対して適切に対応できることが求められています。

そのうえで、適切な相談ができると評価されるためには、
・人事部門との連携が取れる状態になっていること
・マニュアルを作成し、マニュアルに沿った対応ができること
・相談者の相談に適切に対応できるように、相談の研修を行うこと
などが求められています。

次に、『(イ)その他の雇用管理上必要な措置』に関しては、事業主の方針等の明確化および周知・啓発が求められています。
これには就業規則への記載および周知・啓発や、社内報等による広報、研修等を行うことなどが含まれています。
また、被害を受けた労働者に対するケアや再発防止について、適切な措置をとることも必要となります。

2020年6月の施行まであとわずかです。
企業が制度を運用する前に、企業で働く一人として詳しい内容を認知しておくようにしましょう。


※本記事の記載内容は、2020年4月現在の法令・情報等に基づいています。