消費者トラブル増加で法改正へ 変わる医療機関のホームページ

17.11.10
ビジネス【企業法務】
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病院を選ぶとき、インターネットで検索し、その病院のホームページに掲載されている情報を参考にする人も多いでしょう。

特に美容医療であれば、患者さんのビフォーアフターの写真や体験談が載っていると、「きっとこの病院に行けば良い治療が受けられる」と思ってしまうでしょう。

しかし、このようなホームページは今後なくなるかもしれません。
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広告による消費者トラブル増加で医療法改正に 

病院の広告については、“医療法”という法律によって、広告の内容について様々な規制があります。
そして従来、規制対象となる広告に該当するかどうかは、 

①患者の受診を誘引する意図があること(誘因性) 
②病院名が特定可能であること(特定性) 
③一般人が認知できる状態にあること(認知性) 

の3つの要件を満たすかどうかで判断されていました。

しかし、病院のホームページについては、自分で検索して見つけ出さなければ目にすることがないので、“③認知性”の要件が欠けるとして、広告規制の対象とはされていませんでした。 
  
そんななか、近年はインターネットの普及に伴い、特に美容医療サービスに関する消費者トラブルが増加。
そうしたことを受け、平成27年7月、消費者委員会から『美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議』が出され、議論が行われた結果、第193回国会において医療法が改正され、病院のホームページについても広告規制の対象となることが決定しました。
来年6月には施行される予定です。 


病院のホームページに対する今後の規制 
  
今後、病院のホームページについては、医療法に基づいて規制されることになりますが、規制の詳細については、まだ決まっていない部分もあります。
現時点で、内容が虚偽の広告、虚偽とまで言えなくても内容が誇大な広告、他の病院と比較して優良であることを示す広告などは、禁止されることが明確ですが、“治療の効果”などはどこまでホームページに記載することができるかについて、今後の議論で詳細を詰めていくことになっています。
ただ、現在の議論の状況を見ると、患者さんのビフォーアフターの写真や体験談などについては、掲載が禁止されることになる可能性が高いように思われます。 
  
一方で、一定の条件を満たしたホームページについては、広告規制の一部が解除されることも予定されています。
どのような条件を満たせば良いのか、現時点で明確ではないため、今後の議論を見守っていく必要があります。 
  
既に厚生労働省では、病院のホームページに問題のある記載がないかどうかを巡回して監視し始めています。
今後、病院のホームページの記載には注意が必要です。