自社株式の相続税・贈与税は、納税を猶予することが可能!?

18.03.16
ビジネス【税務・会計】
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オーナー経営者が急に亡くなり、早急に自社株式の相続対策を行わなければならなくなった――。 

そんなときの対策として注目すべきなのが、議決権のある株式の3分の2を上限として、納税の猶予ができる“非上場株式の相続税・贈与税納税猶予制度”です。 

今回は、この“非上場株式の相続税・贈与税納税猶予制度”について、ご紹介します。
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相続税・贈与税の納税猶予制度とは? 

この納税猶予制度の正しい名称は『非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例』といいます。 

親族に事業を承継する際、非上場会社の自社株式に課税される相続税や贈与税を猶予・免除することができる制度です。 

一般的に相続対策は、時間をかけて自社株の評価を下げつつ、後継者に自社株式を移転することが多いでしょう。 
しかし、オーナー経営者が急死するなど、 早急に事業承継をすることが必要になった場合、相続対策をしていない自社株式には多額の相続税が課税される可能性があります。 

その際に活用できるのが、この“納税猶予制度”なのです。 

この制度を活用した場合、 
・現経営者の相続または遺贈により、その親族である後継者が取得した自社株式の80%部分の“相続税” 
・現経営者からの贈与により、その親族である後継者が取得した自社株式に対応する“贈与税” 
の納税が猶予されます。 

※親族:6親等の血族・配偶者・3親等以内の姻族 


制度を利用するための要件とは? 

相続税の納税猶予を受けるための主な要件は以下のとおりです。 

【例:相続又は遺贈の場合】 
・中小企業者であること 
・非上場会社であること 
・相続開始直前において、現経営者とその親族が総議決権数の50%超を保有し、かつ現経営者が保有する議決権数が後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと 
・後継者が現経営者の親族であること 
・後継者は相続開始直前に役員であり、相続開始の日の翌日から5か月を経過する日に代表者であること 
・相続開始時に後継者と後継者の親族で総議決権数の50%超を保有し、後継者がこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること  など 

なお、この制度は『中小企業における経営承継の円滑化に関する法律(円滑化法)の一環として行われているため、円滑化法の認定を受ける必要があります。 
認定を受けるためには、相続開始の日の翌日から8カ月以内に申請しなければなりません(相続税の猶予制度の場合)。 


納税猶予を継続するための要件とは? 

なお、相続税の申告期限から経営承継期間(5年間)は、以下の要件を満たす必要があります。 

(1)事業を承継した後継者が、代表者であり続けること 
(2)相続時の雇用の8割以上を維持していること(災害時の緩和要件あり) 
(3)後継者とその親族が総議決権の50%超を有することなど 
(4)後継者の親族のうちの1人が、後継者を超える議決権数を有しないこと 
(5)相続した時の株式を継続的に保有していること 
(6)資産管理会社に該当しないこと など 

これらの要件を満たせなくなった場合は、納税猶予額の全額を納付しなければなりません。 
なお、5年間の経営承継期間が過ぎても(5)と(6)は順守が必要です。 

また、後継者である代表が死亡した場合などは納税猶予額の全額が免除されます。 
このほか、経営承継期間の5年を経過すると納税が免除される条件が広がります。 

納税猶予を受けるには、さまざまな要件を満たす必要があります。 
事業承継についてお悩みの場合は、ぜひ一度お問い合わせください。 



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