今までにない発想を!『ブレーン・ストーミング』の効果的なやり方をお話します。その2

17.11.10
ビジネス【マーケティング】
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前回に引き続き、アイデアの誘発を目的に意見を述べ合う『ブレーン・ストーミング』(ブレスト)の効果的なやり方について紹介をしていきます。 

前回は『ブレストを成功に導く3つのルール』の1つめ、『完成度は気にせず、とにかく数多くのアイデアを出す』ことについて解説をしました。 

今回は、2つめのルールである『人のアイデアを批判せず、よいところを見つけ誉め合う』についてご説明します。
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ルール2:人のアイデアを批判しない 

通常、実現が難しそうな意見や、既存のアイデアは気づきやすいため、意見を出し合う中で指摘することが多くなりがちですが、ブレストでは意見の否定は“厳禁”です。 
ブレストは、アイデアの幅をとにかく広げることを目的としているため、実現性の考慮や、意見の整理は次の段階でおこないます。 

一見、ネガティブな要素を含んでいるアイデアにこそ、ブレークスルーのチャンスが含まれている可能性もあるので、ポジティブな面を見つけて、意見を誉めることが大切です。 


意見の否定が、アイデアを激減させる 

物事には、常にポジティブな側面とネガティブな側面が存在します。 
ネガティブポイントを見つけて批判することが、知識量の豊富さを示す証という風潮が少なからずありますが、これはルール1の『とにかくアイデアをたくさん出す』ことにも影響を及ぼします。 

何か案を思いついても、自分の中で「この部分は再考が必要だ」「この案は現実性がない」などと未来予測し、無意識に意見を否定してしまうことで、発言できるアイデアの数は少なくなってしまいます。 


“誉め力”をアップさせるコツとは? 

アイデアを誉めるコツは、自分自身の頭に浮かんだアイデアも、他の人の意見も最初に“誉めるべきポイントに目を向けること”です。 
さらに日常から、まず誉めるべきポイントを見つけるメンタリティを持つよう心がけることで、“誉め力”を養っていくことができます。 

たとえば、レストランで店内の汚れが気になったとき、その汚れに意識をフォーカスさせるのではなく、「料理がおいしい。このギャップも魅力だ」と考えてみましょう。 
また、上司に細かく注意を受けたときも「口うるさいなぁ」と思うのではなく、「このような厳しい上司の下で働けば、成長できるかもしれない」と考えることで、自分自身を違った角度で見ることができるようになります。 

このように日常での鍛錬を重ねながら、ブレストでは『批判厳禁』をモットーに、どんなアイデアに対しても「その意見いいね!」「その発想アリかもね!」という姿勢で参加しましょう。 
そうしてアイデアの幅を最大限広げた後、次のステップで意見を絞り込んでいけばいいのです。 

次回は、ルール3の『人のアイデアに乗り、発展させる』についてご紹介します。 



佐藤達郎のマーケティング論



●プロフィール●
佐藤達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。