中小企業でも設置する?『社外取締役』の役割と必要性

26.10.27
ビジネス【企業法務】
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企業の経営において、外部の視点を取り入れる重要性が高まっています。
その方法の一つが、社外取締役の設置です。
一定の上場企業などでは社外取締役の設置が義務づけられており、ニュースなどで耳にする機会も増えました。
一方、一般的な非上場の中小企業に設置義務はありませんが、経営の質やガバナンスを高めるための手段として、外部の知見を経営に取り入れる企業もあります。
自社の成長戦略を考えるうえでも、社外取締役の基本的な役割や、中小企業が導入するメリット、選任する際のポイントなどを把握しておきましょう。

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中小企業で社外取締役を設置するメリット

社外取締役とは、会社法上の一定の要件を満たす、当該会社の業務執行を担当しない取締役を指します。
社内の業務執行から一定の距離を置いた立場から、取締役の職務執行を監督する役割が期待されています。
社内のメンバーだけで取締役会を構成していると、どうしても社長の意見に偏ったり、社内の慣例が優先されたりして、客観的な判断がむずかしくなることがあります。
そこで、社外取締役が加わることで、経営の意思決定が妥当であるかを、外部の視点からチェックすることができます。

2021年に施行された改正会社法によって、一定の上場企業などには社外取締役の設置が義務づけられました。
この義務化は、投資家などの利益を守り、企業経営の透明性を高めることを目的としています。
社会全体として、企業の不祥事を防ぎ、健全な経営を行うための仕組みづくりが求められるなかで、社外取締役の存在感も高まってきているといえます。

一定の上場企業などで義務化されている社外取締役ですが、一般的な非上場の中小企業では設置は義務づけられていません。
導入するかどうかは、各企業の経営者の判断に委ねられています。
そのため、社外取締役を置くかどうかは、自社の規模や経営課題、費用対効果などを踏まえて判断することになります。

大企業では社外取締役に経営の透明性を担保する役割が強く求められますが、中小企業の場合、監督機能に加えて、外部の知見を経営に取り入れる役割も期待できます。
中小企業は、経営者の手腕で事業を牽引しているケースが多く、トップダウンでの迅速な意思決定ができる反面、経営者の判断がすべてになってしまうという懸念もあります。
ここに社外取締役が加わることで、経営者とは異なる視点から事業を客観視できるようになります。
たとえば、新しい事業を展開しようとする際、社内の人間だけでは見落としてしまうような市場のリスクや、別の角度からのアプローチ方法を指摘してもらうことができます。

また、中小企業が抱える課題として、人材不足や事業承継の問題があります。
社外取締役として、専門的な知見を持つ弁護士や公認会計士、あるいは他業界で経営経験のある人物を迎えることで、社内にはない知識やノウハウを補えるほか、後継者の育成や承継後の経営体制について客観的な助言を得ることもできます。
外部の目が入ることで、経営の透明性が高まり、組織運営を見直すきっかけになることも期待できます。

どうやって社外取締役を選任する?

中小企業が社外取締役の導入を検討する際、知名度や肩書きだけで選ぶのではなく、自社が今何を必要としているのかを明確にしたうえで、それに合致する人物を探す必要があります。

まず検討したいのは、自社の課題解決に必要な専門性です。
たとえば、新規事業の立ち上げを計画しているなら新規事業の立ち上げ経験が豊富な人物、財務体質の改善が急務なら財務や会計の専門家といったように、求める役割を絞り込みます。
近年ではデジタル対応に課題を抱える企業も多く、その分野の専門家を迎えるケースも増えています。
中小企業の場合、会議に出席して意見を言うだけでなく、現場に近い目線で具体的なアドバイスをくれるような、実践的な知見を持つ人物が適しています。

次に大切なのが、自社の企業理念や経営方針への共感です。
豊富な経験や実績を持つ人物であっても、会社の目指す方向性と価値観が合わなければ、意見の対立を生みかねません。
経営者と率直に意見をぶつけ合いながらも、最終的には同じ目標に向かって伴走してくれるような信頼関係を築けるかどうかがポイントになります。

社外取締役の候補者を探す方法としては、経営者の個人的なネットワークを活用するほか、金融機関や顧問弁護士からの紹介、あるいは経営人材を専門に紹介するサービスを利用するといった方法もあります。

もちろん、社外取締役を迎えるには役員報酬などの費用もかかりますし、これまでのように経営者一人の裁量だけで物事を進めることはむずかしくなります。
しかし、社内の常識にとらわれない客観的な視点を取り入れることは、会社が成長していくための土台づくりに役立つでしょう。
会社の将来を見据えるのであれば、社外取締役の導入を検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2026年10月現在の法令・情報等に基づいています。