車で自転車の右側を通過する際の『十分な間隔』はどのくらい?

26.09.29
ビジネス【法律豆知識】
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2026年4月1日から道路交通法の一部が改正され、新しいルールがいくつか定められました。
その一つに、車が自転車の右側を通過する際のルールがあります。
これは、車が自転車の右側を通るときに十分な間隔がない場合、車はその間隔に応じた安全な速度で進行し、自転車はできる限り道路の左側端に寄って通行しなければならないというものです。
特に日常的に車を運転するドライバーは、この新しいルールを把握しておく必要があります。
新しいルールの内容や、具体的な間隔、速度の目安などについて、理解を深めていきましょう。

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交通事故を防ぐために通行方法が明文化

2026年4月1日より、改正道路交通法が施行されました。
改正の内容は多岐にわたりますが、一般のドライバーへの影響が大きいものの一つが「自転車などの交通事故防止のための規定の整備」です。

通常、生活道路や幹線道路では、自動車だけでなく自転車も重要な移動手段として使われています。
特に近年は、健康志向の高まりによる自転車通勤の増加や、特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードの普及など、車道を走るモビリティの多様化が進んでいます。
道路を共有する乗り物が増えるなかで、それぞれの速度や特性の違いから、事故などのさまざまなリスクが生じていました。
このような背景を受け、車と自転車などの交通事故を減らすことを目的に、今回のルール変更が行われました。

改正による大きな変更点は、道路交通法第18条に新たな条文が追加されたことです。
これまでの法律では、車が歩行者の側を通る場合には、安全な間隔を保つか、徐行することが義務づけられていました。
しかし、今回の改正によって、この安全確保の対象が歩行者だけでなく、自転車などの軽車両や、特定小型原動機付自転車にも広げられました。
改正前の道路交通法第28条でも、ほかの車両を追い越す際の方法が定められていました。
一方、新設された第18条第3項では、追い越しに当たらない場合を含め、車が自転車などの右側を通過する際の行動基準が明記されました。
具体的には、車が自転車の右側を通過する際、両者の間に十分な間隔がないときは、自転車との間隔に応じた安全な速度で進行しなければならないと規定されました。

この規定により、ドライバーが自転車の横を通る際の通行方法が明確になりました。
まず、車は自転車との間にできる限り十分な間隔を確保して通過することが大切です。
そして、道幅が狭かったり、対向車がいたりして物理的に間隔を確保できない場合は、車が間隔に応じた安全な速度まで減速しなければなりません。

このルールは車だけに義務を課すものではなく、同条第4項では、自転車側に対しても、車が通過する際にはできる限り道路の左側端に寄って通行することが定められています。

具体的にはどのくらいの間隔と速度になる?

では、「十分な間隔」とはどのくらいなのでしょうか。
警察庁が示している目安によれば、車が自転車の右側を通過するときは、少なくとも1メートル程度の間隔を空けることが安全だとされています。
運転席から左側の1メートルを正確に把握するのはむずかしいかもしれませんが、ドアミラーの端から自転車まで、大人が一人余裕を持って立てるくらいの空間をイメージするとわかりやすいでしょう。

そして、対向車線に車が連なっている場合や、もとの道幅が狭い道路などで、自転車と1メートル程度の間隔を確保できない場面もあります。
そのような場合には、車の速度を時速20~30km程度まで落として運転することが推奨されています。
自転車との距離が近くなればなるほど、車の速度はより落とさなければなりません。
状況によっては、すぐに停止できるような徐行が必要になることもあります。

ただし、ここで注意しなければならないのは、警察庁が示した数値はあくまで一つの目安に過ぎないということです。
1メートル空けたから、あるいは時速30kmに落としたからといって、それだけで安全が保証されるわけではありません。
実際の交通環境は、道路の形状、天候、時間帯によって常に変化しています。
自転車に乗っている人の様子や、路面の状況など、目の前の状況に合わせて臨機応変に間隔と速度を調整することが大切です。

なお、車が自転車との間に十分な間隔を空けず、さらに減速もせずにそのまま通過してしまった場合、道路交通法違反となります。
罰則は、3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金です。
また、交通反則通告制度が適用される場合は、違反点数2点が加算され、反則金の対象となります。
反則金の額は車両の種類によって異なりますが、普通車の場合は7,000円です。
また、自転車などもできる限り道路の左側端に寄って通行する必要があり、これに違反した場合は、5,000円の反則金の対象となります。

車が自転車の右側を通過する場面では、まずは安全な間隔を確保できるかどうかを見極め、むずかしいと判断した場合は無理をせずに速度を落とすか、安全が確保できるまで、自転車の後方を走行するようにしましょう。
人は急いでいるときほど焦りやすくなります。
速度を落として待つ数秒のゆとりが、重大な事故を防ぐことにつながります。


※本記事の記載内容は、2026年9月現在の法令・情報等に基づいています。