中小企業の育休取得と円滑な職場復帰を支援

26.04.07
ビジネス【助成金】
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近年、少子化の進行や労働力不足が社会的課題となるなかで、従業員が出産や育児を理由に離職することなく働き続けられる環境づくりが重要となっています。
両立支援等助成金「育児休業等支援コース」は、企業が育児休業の取得や職場復帰を円滑に進めるための体制整備を行なった場合に支給される制度です。
育児休業を取得する本人だけでなく、職場で業務を引き継ぐ同僚や上司の負担にも配慮しながら、企業全体で仕事と育児の両立を支える仕組みを整えることで、人材の定着と働きやすい職場づくりを促進することを目的としています。

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両立支援等助成金「育児休業等支援コース」

両立支援等助成金「育児休業等支援コース」は、従業員が安心して育児休業を取得し、円滑に職場復帰できるような職場環境づくりに取り組む事業主を支援する助成金です。
企業が「育休復帰支援プラン」を作成し、育児休業取得前から復帰後までの支援を計画的に行うことで助成の対象となります。

主な支援の対象となる取り組みは次のとおりです。
・育児休業取得前の準備
・育児休業取得時の支援
・職場復帰に向けた支援
・育児休業取得者の業務引継ぎや職場体制の整備

育児休業は、取得する本人だけでなく、業務を引き継ぐ同僚やチームにも影響が生じることがあります。
本助成金では、そうした職場全体の体制づくりにも着目し、業務の整理や引継ぎ、職場復帰後のフォローなどを通じて、企業全体で両立支援に取り組むことを促す制度となっています。
なお、本助成金は中小企業事業主を対象としています。

【支給対象事業主】
対象となる事業主の主な要件は以下のとおりです。
・中小企業事業主であること
・雇用保険適用事業所であること
・育児休業制度を就業規則などに定めていること
・育児休業取得を支援するための社内体制を整備していること
・次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局へ届け出ていること

また、育児休業制度については、育児・介護休業法に基づく制度を就業規則などに定めているだけでなく、適切に運用していることが必要となります。

【支給要件】
助成金を受給するためには、次のような取り組みを計画的に実施している必要があります。
(1)育休復帰支援プランの作成
対象労働者の育児休業取得から復帰までの流れを整理し、業務引継ぎや復帰支援の内容をまとめた「育休復帰支援プラン」を作成します。
(2)業務引継ぎ体制の整備
育児休業取得者の業務を整理し、同僚やほかの担当者への引継ぎを行うなど、職場全体で業務が円滑に回る体制を整えます。
(3)休業前面談の実施
休業前に対象労働者と面談を行い、業務の引継ぎ方法や休業期間中の連絡方法、復帰後の働き方などについて確認します。
(4)休業中のフォロー
必要に応じて職場の状況を共有するなど、復帰に向けたサポートを行います。
(5)職場復帰支援
復帰後に面談を行い、業務内容や働き方について調整しながら、職場への円滑な復帰と継続就業を支援します。

これらの取り組みは、本人だけでなく職場全体の協力のもとで行われることが重要であり、その実施内容を記録として残し、申請時に提出できるようにしておく必要があります。

【対象経費】
本助成金は、特定の経費を補助する制度ではなく、企業が一定の取り組みを実施した場合に定額で支給される制度です。
そのため、個別の経費を申請する必要はありませんが、以下のような取り組みを実施していることが前提となります。
・業務引継ぎ体制の整備
・職場復帰に向けた支援体制の構築
・面談や情報共有などのフォロー体制の整備

これらの取り組みにより発生する人件費や業務調整の負担などについて、企業を支援する趣旨で助成金が支給されます。

【支給額】
支給額は、実施した支援の段階に応じて支給されます。
代表的な支給区分は次のとおりです。
●育休取得時 30万円
●職場復帰時 30万円
いずれも1事業主2回まで(無期雇用労働者・有期雇用労働者 各1回)

・育児休業等に関する情報公表加算 2万円
※いずれかの助成金に、1回に限り加算して支給されます。
加算のみの受給はできません。

※制度改正により支給額は変更される場合があります。

このように、育児休業の取得と職場復帰の双方に対して支援が行われる仕組みとなっており、企業が継続的に両立支援に取り組むことを後押しする制度となっています。

【おわりに】
育児休業等支援コースは、単に法律を守るだけでなく、「休ませる側の体制づくり」に不安を感じている企業にこそ活用しやすい制度です。
「育休を取りたい従業員がいるが、残されたメンバーの負担が大きく不満が出そう」、「育休後のブランクを解消し、スムーズに戦力として復帰してほしい」、「子育てを応援する姿勢を社内外に示し、若手人材の採用・定着につなげたい」といった悩みがあるのであれば、この助成金を活用して、長く働ける職場環境への第一歩を踏み出してみませんか。
本助成金の詳細は要綱をご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html


※本記事の記載内容は、2026年4月1日現在の法令・情報等に基づいています。