人手不足の解消にもなる!?『LINE予約』と『AI予約』の導入ガイド

25.08.05
業種別【美容業】
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「いつでも好きなときに予約をしたい」というお客のニーズに応えるため、LINEを使った予約システムや、AIが自動で対応する予約システムを導入する美容室が増えています。
いわゆる「LINE予約」と「AI予約」は、お客の利便性を高めるだけでなく、美容業界でも深刻な問題の一つとなっている人手不足の解消や、スタッフの業務負担の軽減につながります。
人手不足やスタッフの負担増に悩む美容室にとって、これらのシステムは強力な味方になるでしょう。
美容室オーナーであれば知っておきたい、LINE予約とAI予約について、解説します。

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予約システムの自動化でお客の利便性が向上

近年、美容業界では、お客の利便性向上と店舗運営の効率化のため、デジタルツールの導入が進んでいます。
なかでも、特に注目されているのが「LINE予約」と「AI予約」です。
日常的に使うスマートフォンアプリの筆頭であるLINEを活用した予約システムは、お客が電話をかける手間がなく、好きな時間にスマートフォンから予約が完結するうえに、予約の確認や変更、キャンセルもLINE上で行うことができます。

一方、AI予約は音声認識AIがお客の電話予約に、自動で対応するシステムです。
営業時間外やスタッフが接客中でも、AIが予約を受け付け、問い合わせなどにも応じます。
AI予約を導入することで、お客が時間や場所を気にせず予約できるのはもちろん、美容室側も電話対応に追われず、施術や接客に集中できる環境を整えることができます。
また、電話を使っているため、LINE予約やオンライン予約などのシステムに抵抗感があるお客を取りこぼすこともありません。

どちらのシステムも、最大のメリットはお客の利便性が飛躍的に向上する点にあります。
LINE予約もAI予約も、24時間365日自動で対応することが可能で、営業時間外やスタッフ対応中でも予約を受け付けることができます。
お客の「今すぐ予約したい」というニーズに応えることは、顧客満足度の向上に直結するでしょう。

また、予約受付業務の多くを自動化することで、スタッフは電話対応から解放され、本来の業務である施術やお客への接客、技術向上に集中できます。
結果として、スタッフ一人ひとりの生産性が向上し、より質の高いサービス提供を可能にします。
こうした店側のメリットは、スタッフのモチベーション向上や定着率改善にもなり、人手不足の解消にも貢献します。

さらに、従来の紙ベースでの予約受付や簡易的な予約システムでは、予約管理が煩雑になりがちで、ダブルブッキングなどのヒューマンエラーのリスクもありました。
LINE予約やAI予約システムは、予約情報を一元的に管理し、リアルタイムで反映させるため、予約状況を常に正確に把握でき、ミスを防ぐことにつながります。
予約変更やキャンセルもシステム上でスムーズに行えるため、管理の手間も大幅に削減されるでしょう。

LINE予約とAI予約を導入する方法と注意点

多様なメリットのあるLINE予約とAI予約ですが、導入はそれほど複雑ではありません。
LINE予約を導入するには、まずLINE公式アカウントの開設が必要になります。
そして、開設したアカウントと連携できる予約システムを選定します。
予約システムを導入せず、LINE公式アカウントだけでも予約管理を行うことはできますが、予約が入るたびにお客と個別にやり取りする必要があり、効率的ではありません。

LINEが提供している予約機能である「LINEで予約」をはじめ、多くの予約システムは、LINE公式アカウントの「リッチメニュー」に「予約」ボタンを設置し、お客が直接予約システムにアクセスできるよう設定することができます。
リッチメニューはLINEのトーク画面の下部に固定で表示されるメニュー機能のことです。

予約完了時には、LINEで自動通知が届くように設定することも可能です。
予約システムは月額制の安価なものから、集客も可能な多機能型まで、さまざまなタイプがリリースされているので、比較検討しながら、本当に必要なシステムを導入しましょう。

AI予約の導入は、多くの場合、専門のベンダーが提供するサービスを利用することになります。
複数のベンダーから情報収集を行い、店の規模、予算、必要な機能を明確にして最適なシステムを選定します。
ベンダーとシステムが決まれば、AIがお客からの電話を受け付けられるよう、既存の電話番号をAIシステムに転送する設定を行います。
次に、AIがお客と会話するためのスクリプト(台本)を作成し、学習させます。
スクリプトは、メニュー、料金、営業時間、注意事項など、お客が知りたい情報を網羅するよう丁寧に作成しましょう。
AIはシステムの導入後もお客との会話を通じて学習し、精度を高めていきます。
AIがうまく対応できなかったケースは、定期的に検証しましょう。
スクリプトの修正や再学習の繰り返しによって、AIの対応精度を高めていくことが重要です。

LINE予約とAI予約は、お客の利便性を飛躍的に向上させますが、導入には初期費用や運用体制の構築、お客への周知といった課題もあります。
また、店の運営スタイルによっては、システム活用によるメリットを十分に得られない可能性もあります。
たとえば、電話や口頭での予約が習慣になっていたり、ITに不慣れな高齢のお客が多かったりする店は、こうしたシステムを導入しても、そこまで効果が出ないかもしれません。

LINE予約もAI予約も未導入であれば、まずは導入することで、どのような効果が見込めるのか、検証することから始めましょう。


※本記事の記載内容は、2025年8月現在の法令・情報等に基づいています。