『会社の顔』に必要な『メディアトレーニング』の効果とは?
新製品の発表会や新サービスにまつわるインタビュー、はたまた予期せぬ不祥事まで、企業のトップや広報担当者は、多くのシーンでメディアの前に立つことがあります。
その一挙手一投足が、企業のイメージを大きく左右する可能性があるため、立ち振る舞いや発言には十分注意しなければいけません。
そこで重要になってくるのが、メディアとのコミュニケーション方法を学ぶ『メディアトレーニング』です。
『企業の顔』が受けるべき、メディアトレーニングの基礎について解説します。
経営者は常に炎上のリスクを抱えている?
企業のトップや広報担当者は、組織のなかで最もメディアと接することの多い立場です。
新製品の発表会では、自社の革新的な製品やサービスをメディアの前で紹介しますし、インタビューでは企業の代表としてインタビュアーからの質問に答えます。
記者会見ではメディアに囲まれながら、企業の重要な発表を行なったり、不祥事の説明責任を果たしたりもします。
企業のイメージを形成するうえでは非常に重要なメディア対応ですが、一般的なビジネスコミュニケーションとは異なるスキルが求められることに注意が必要です。
まず、メディアを通じた情報は広く社会に公開されるため、発言の責任が普段よりも大きくなります。
近年はSNSの普及により、企業の情報が瞬時に拡散されるようになりました。
メディア側の記者はさまざまな角度から質問を投げかけ、企業の真意を引き出そうとするため、慎重に発言しなければいけません。
特に企業の経営者は、発言に大きな影響力があるため、常に『炎上』のリスクが伴います。
社会的倫理に反するような発言や、従業員および顧客を軽視するような発言は強い反発を招きますし、事実と異なる情報や根拠のない情報を発信してしまうと、社会的な信頼を失うことにもなります。
社内ではジョークで済まされるような発言もメディアの前では通用しません。
公の場での発言は冗談であっても意図と異なる解釈をされる可能性があり、炎上につながることがあります。
誤解を招くような表現や不用意な発言は十分に気をつけなければいけません。
こうした通常のビジネスコミュニケーションとは異なるメディアへの対応を学ぶために、「メディアトレーニング」を取り入れる企業が増えています。
メディアトレーニングとは、メディア対応のプロから、インタビューや記者会見など、メディアとの効果的なコミュニケーション方法を学ぶ研修のことです。
プログラムの中身と研修を受講するメリット
メディアトレーニングで行われる研修には、メディアの特性理解、メッセージ戦略、質疑応答、話し方・態度、危機管理など、多岐にわたる内容が含まれます。
メディアの特性理解ではメディアの種類や特性、記者の視点などを学び、メッセージ戦略では、伝えたいメッセージを明確にし、効果的に伝える方法を習得できるようになります。
質疑応答では、想定される質問への回答を準備し、的確に答える練習を行います。
実際に本物の記者会見と同じような会場や記者を用意し、模擬的な記者会見を行うことも少なくありません。
たとえば、話し方・態度では、カメラの前での話し方や態度、表情などを練習し、危機管理では、不祥事など、緊急時の対応方法を学びます。
こうしたトレーニングを行うことで、メッセージを正確に伝えることができるようになり、緊急時にも冷静に対応することが可能になります。
プログラムには個人レッスン、グループレッスン、オンラインレッスン、実践型トレーニングなど、さまざまな種類があります。
個人レッスンでは個別のニーズに合わせて集中的にトレーニングを受けられますし、グループレッスンでは複数人で一緒にトレーニングを受けることで、あらゆる視点からメディア対応を学ぶことができます。
メディアトレーニングの研修は専門の会社やコンサルタント会社に依頼するのが一般的です。
自社に必要なトレーニングのプログラムが受けられる企業を選びましょう。
メディアトレーニングは企業の経営者や広報担当者、新規事業担当者など、メディアに対する可能性のあるすべての人が対象となります。
メディアトレーニングを行うことで、メッセージの正確な伝達や対応力の強化はもちろん、危機管理能力や自信の向上など、さまざまなメリットが得られます。
企業の顔としてメディアの前に出る可能性があれば、一度メディアトレーニングを受講し、その重要性を体感してみてはいかがでしょうか。
※本記事の記載内容は、2025年4月現在の法令・情報等に基づいています。