『確定申告』を税理士に依頼するタイミングと注意点

24.11.26
ビジネス【税務・会計】
dummy

個人事業主であれば、毎年1月1日から12月31日までの所得を計算し、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。
しかし、確定申告は手間がかかるため、後回しになってしまいがちです。
もし、手が回らないのであれば、税理士に確定申告を依頼するという方法もあります。
依頼のタイミングや料金の相場など、税理士に確定申告を代行してもらう際に知っておきたいことを説明します。

dummy

税理士に確定申告を依頼するメリット

確定申告とはその年の1月1日から12月31日までの所得と、その所得から生じる税金を計算して確定させる手続きのことです。
自営業者やフリーランスなど、個人事業主の多くは自分で確定申告を行いますが、準備から確定申告書の作成、税務署への提出までには、かなりの時間と労力を割かなければいけません。
また、期限までに申告しないと無申告加算税や延滞税が課せられる場合もあります。
もし、本業が手一杯で期限までに確定申告をすることがむずかしいのであれば、税理士に確定申告の代行を依頼することも検討してみましょう。

税理士は税理士法で定められた国家資格を持つ税の専門家です。
納税する人に代わって「税務代理」や「税務書類の作成」を行なったり、「税務相談」を受けたりすることができ、これらの業務は税理士の独占業務のため、税理士の資格を所有していない人がこういった業務を請け負ってはいけないことになっています。
したがって、個人事業主が確定申告を依頼する際も、必然的に税理士に依頼することになります。

税理士に確定申告を代行してもらう一番のメリットは、時間と労力を節約できるという点です。
ある調査では、個人が確定申告の作業を行なった場合、平均して、12時間以上かかるというデータもあります。
1日2時間ずつ作業をしてもトータルで6日はかかることになり、この期間は本業が滞ってしまうことにもなりかねません。
確定申告を税理士に任せることで、本業に専念できるのは大きな利点です。

また、正確な内容で確定申告ができるというのも税理士に依頼するメリットの一つです。
もし、申告内容に誤りがあると、税務署から指摘やペナルティを受ける可能性があります。
税理士が税に関する専門知識に基づいて確定申告書を作成することで、申告のミスや間違いなどが発生せずに済むでしょう。
さらに、税務署に提出する確定申告書に税理士の署名があれば、信頼性が高まり、税務調査が入る可能性を軽減させる効果が期待できます。

確定申告を依頼するタイミングと費用の相場

事業内容や売上などによって、税理士に確定申告を依頼するタイミングはさまざまです。
たとえば、個人事業主が法人成りするタイミングは、税理士に依頼するよい機会です。
法人成りする場合、その年度の個人事業主だった期間の事業所得について確定申告をする必要があります。
税理士に依頼することで、法人に切り替わるタイミングにおける、煩雑な確定申告の手続きにかかる手間を軽減できます。

また、売上が伸びてきており、本業に集中したい場合は、確定申告の代行も含めた顧問契約を税理士と結ぶという選択肢もあります。
事業規模が小さく年間の売上が低ければ、税務業務もそこまで手間ではありませんが、一定以上の額を超えると、領収書の枚数や会計や税務に関する作業も増えていきます。

税理士に確定申告や顧問契約を依頼する場合は一定の費用がかかります。
事業規模や依頼する業務範囲によって異なるものの、個人事業主が確定申告のみをスポットで依頼する場合の相場は、だいたい5~10万円程度といわれています。
また、税理士と顧問契約を結んだ際の顧問料は、個人事業主の場合は月2万円前後が相場とされています。
あわせて確定申告も依頼する場合は、追加で顧問料の4~6カ月分の費用が発生するケースが一般的です。
ただし、年間の売上によって、段階的に料金を決めている会計事務所もあるため、依頼する際には、請け負ってもらえる範囲も含めて、よく確認しておきましょう。
ちなみに、税理士に報酬として支払った費用は、確定申告の際に経費として計上できます。

一定の費用はかかるものの、確定申告を税理士に依頼することで、時間や労力を節約でき、正確な申告を行うことが可能です。
確定申告は年度により期間が変わることがあり、2025年は2月17日(月)から3月17日(月)までに行う必要があります。
確定申告の代行を考えているのであれば、まずは依頼したい範囲を明確にし、早い段階で税理士に相談してみましょう。


※本記事の記載内容は、2024年11月現在の法令・情報等に基づいています。