税理士法人エスペランサ

申請はお済みですか?『新型コロナ慰労金』を改めてチェック

20.11.02
業種別【医業】
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新型コロナウイルス感染症が流行するなか、感染拡大防止のために尽力している医療機関等を支援するために、政府が打ち出した『新型コロナ慰労金』。
申請受付がスタートしてしばらく経ちますが、個人経営クリニックなどは手が回らずに申請できていないところもあるようです。
そこで、改めて慰労金の概要と申請の仕方を確認しておきましょう。

※申請期間や申請方法などは都道府県により異なり、ここでは厚生労働省の示す標準的なモデルを取り上げました。また、受付期間が終了している自治体もありますので、ご了承ください。
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医療機関によって慰労金の金額は変わる

2020年5月、令和2年度第二次補正予算案で厚生労働省から公表された『新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業』。
その内容は、医療機関で患者と接する医療従事者や職員に対し、1人当たり5万~20万円を支給するというもので、派遣労働者や業務委託受託者でも対象となります。
また、『患者との接触を伴い、かつ、継続して提供が必要な業務』を行う職員であれば、受付などの窓口対応、院内清掃、患者搬送なども広く対象となります。

ではまず、一体いくら支給されるのか、金額ごとの対象者を確認していきましょう。

●20万円支給の対象者
重点医療機関、コロナ患者の入院を受け入れる医療機関、帰国者・接触者外来設置医療機関、PCR検査センターなど、都道府県から役割を指定された医療機関に勤務し、実際にコロナ患者と接した医療従事者や職員は、1人につき20万円支給の対象となります。
また、その他の医療機関であっても、実際にコロナ患者の入院を受け入れている場合は対象となります。

●10万円支給の対象者
都道府県から役割を指定された医療機関等に勤務し、患者と接する医療従事者や職員のうち、上記以外の場合は、1人につき10万円が支給されます。
また、実際にコロナ患者に初めて診療等を行った日以降に勤務していない場合も1人につき10万円支給の対象となります。

●5万円支給の対象者
上記に当てはまらないその他の病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者や職員は、1人につき5万円が支給されます。
おそらく、全国のほとんどの医療機関がこちらに該当するでしょう。

ただし、いずれの場合も、対象期間に合計で10日以上勤務することが要件となっています。
対象期間は『各都道府県で新型コロナウイルス感染症患者の1例目が発生した日または受入日のいずれか早い日から6月30日まで(岩手県は、緊急事態宣言の対象地域とされた4月16日から6月30日まで)』です。
※対象期間は自治体によって異なる場合があります。


原則として医療機関ごとに申請する

慰労金は、原則として、医療機関ごとに職員の情報を取りまとめ、都道府県に給付申請します。
申請までの流れは以下のとおりです。

(1)慰労金の金額を確認する
自身の医療機関では、慰労金の基本的な金額が1人5万円、10万円、20万円のどれにあたるのかを確認します。

(2)必要書類を入手する
申請に必要な書類を各都道府県ホームページなどからダウンロードして入手します。
必要書類には『申請書』以外にも『代理受領委任状』などがあります。

(3)慰労金の対象者を特定し、委任状を集める
患者に接するスタッフのうち対象期間に10日以上勤務した者を特定し、対象者には『代理受領委任状』を配布し、記入後、提出してもらいます。
派遣労働者や業務委託受託者については、医療機関等からの申請でも派遣会社・受託会社からの申請でも、どちらでも構わないので調整して取り決めましょう。

(4)申請書などを作成する
『申請書』に医療機関情報やスタッフの人数など、必要な情報を記入します。
また、スタッフのリスト(各スタッフの名前、住所、生年月日などを記入)など、申請書以外の必要書類も完成させます。

(5)申請書などを提出する
提出は原則としてオンラインで行うこととなっています。
電子請求システムがある場合は、レセプト請求と同じ要領で、国民健康保険団体連合会(国保連合会)に送信します。
申請受付は毎月15日から月末までで、2021年2月末が最終受付となっています(自治体による)。
紙レセプトで請求をかけている医療機関は、申請書フォーマットをダウンロードして必要事項を記入し、同じく国保連合会へ郵送します。
ただし、最終受付がオンライン提出より早い場合が多いため注意が必要です。

以上が完了したら、あとは給付を待つのみです。

手続きは簡単ですが、よく疑問にあがるのは退職者などの申請です。
原則としては、対象期間(始期より2020年6月30日まで)に働いていた勤務先が申請をすることになっています。
諸事情で難しい場合は、その勤務先が所在する都道府県へ本人から直接申請してもらいましょう。
その他、不明点は各都道府県の案内に詳細があります。

新型コロナウイルス感染症の影響により、医療現場で働くスタッフの不安や負担は大きなものとなっています。
日頃業務をがんばってくれているスタッフたちの労をねぎらい、働くモチベーションを高めてあげるためにも、ぜひ申請準備を進めましょう。

なお、申請に関するルールは自治体ごとに異なる場合がありますので、詳細は各都道府県ホームページなどでご確認ください。

参考:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580_00001.html
慰労金交付事業に関する各都道府県ホームページへのリンク
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12456.html


※本記事の記載内容は、2020年11月現在の法令・情報等に基づいています。