税理士法人エスペランサ

「世界をよりよい場所にすること」を目的にせよ!コトラーのマーケティング3.0

14.06.29
ビジネス【マーケティング】
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前回は“世界最高峰”の国際広告賞である
カンヌライオンズで2013年に最も注目されたキーワード
「ソーシャル・グッド」についてご紹介しました。

声高に自社製品の優位性を叫ぶのではなく、
広告や企業のマーケティングが、
何か「世の中に良いこと」をする。
その方がそのブランド(製品)が好かれることとなり、
結果的にマーケティングとしての成果が上がる
(つまり売れる)という傾向です。
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佐藤達郎のマーケティング論

こういった傾向については、
マーケティング論の巨匠フィリップ・コトラー教授も、
最近の著書『マーケティング3.0』で指摘しています。
マーケティングは、1.0から2.0を経て3.0(第3段階)の
時代に突入していると言うのです。

コトラー教授によれば、マーケティング1.0は
「製品中心のマーケティング」であり、
目的は「製品を販売すること」で、
主なマーケティングコンセプトは「製品開発」であり、
企業のマーケティングガイドラインは「製品の説明」、
価値提案は「機能的価値」となります。
 
これに対して、マーケティング2.0は「消費者志向のマーケティング」であり、
目的は「消費者を満足させ、つなぎとめること」で、
主なマーケティングコンセプトは「差別化」であり、
企業のマーケティングガイドラインは「企業と製品のポジショニング」、
価値提案は「機能的・感情的価値」です。

少しマーケティングを勉強された方の頭の中にあるのは、
この「消費者志向のマーケティング」であり「差別化」なのではないでしょうか。

しかし、テクノロジーやソーシャル・メディアの発達により、
時代はマーケティング3.0に移り変わっています。

マーケティング3.0は「価値主導のマーケティング」であり、
目的は「世界をより良い場所にすること」で、
主なマーケティングコンセプトは「価値」であり、
企業のマーケティングガイドラインは「企業のミッション、ビジョン、価値」、
価値提案は「機能的・感情的・精神的価値」になります。

一読しただけでは、何か絵空事めいたように感じる方もいらっしゃると思いますが、
実は時代の傾向を鋭くつかまえていると私は思います。
次回も、この傾向について考えて行きたいと思います。

次回の「佐藤達郎のマーケティング論」は
『あのグーグルも「悪者にはなるな!」を社是として、一大企業へと成長した』をお届けします。

[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

[記事提供]

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