税理士法人エスペランサ

売上1.5倍に成功!『大阪王将』が既存店の収益をアップする宅配に着手

14.04.06
業種別【飲食業】
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2013年12月に東証一部上場を果たした
イートアンド株式会社が、
主力業態の「大阪王将」で新たな戦略に着手している。

同社が導入したのは
“レストランオンデリバリー”というシステム。
「大阪王将」南千住店で、デリバリーをスタートし、
好調に売上を伸ばしているのだ。
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繁盛飲食店のヒット商法最前線

■このお店が繁盛している理由!

1 お客の少ない時間を利用してデリバリーサービス
2 スープを餡状にして冷めにくくするなど、デリバリーでも熱々の料理を提供する工夫
3 デリバリー利用客がレストランも利用する相乗効果

お客の少ない時間や手の空いているスタッフなど、
レストラン営業における店の余力をデリバリーにまわし、
全体の売上を伸ばし、1~2割の利益をプラスするというもの。

あくまでレストラン営業を主軸に置きながら、
設備投資が少なく、
デリバリー専門店が得意とする立地でなくても
デリバリーを可能にする戦略を打ち出している。

デリバリーのメニューは数を絞り、
既存のものを主体に構成することで
レストラン営業の負担にならないようにする。

一方、熱々のおいしさで提供するために、
ラーメン系の麺類はすべてのびにくい専用の麺を使い、
スープも量を多くするだけでなく餡状にして冷めにくくする。

さらに酢豚など餡がかかる商品は
バイクの振動などでとろみが弱まるため、
餡の硬さを店で提供するよりも硬めにするなど工夫している。

熱々で提供するため、料理は専用の容器に入れるだけでなく、
でき上がったものからすぐにフタをし、
運ぶ直前までウォーマーで温めるなどのひと手間も欠かさない。

デリバリーのバッグも
底に薄い鉄板が使われたものにし、保温性を高めている。

こうした“おいしさの追求”に加え、
店頭やチラシでデリバリーの開始をしっかりと告知した結果、
開始当初から現在に至るまで20~30代の単身者や
ファミリー層を中心に多くの支持を獲得している。

また、デリバリーを利用したお客だけでなく、
チラシや店頭で再認知した人が来店するようになり、
レストラン営業単体での売上も伸びている。

同社では来年度中に30店舗でデリバリーを開始する予定だ。


次回の「繁盛飲食店のヒット商法最前線」は
「連日予約満席になるお店。人気の秘密は…。
本格派の中華をバル価格で提供」をお届けします。


【記事提供元】
近代食堂2014年3月号(旭屋出版)