遺言書でできることとは? 代表的な使い方・用途を解説
遺言書で相続(争族)対策をしたい場合は、きちんと遺言書でできることを把握しておき、漏れなく万全の記載を目指すことが重要です。
そこで今回は、遺言書でできることについて、代表的な使い方・用途をピックアップして解説します。
そこで今回は、遺言書でできることについて、代表的な使い方・用途をピックアップして解説します。
~遺言書の代表的な使い方・用途〜
【その1:遺産分割方法の指定】
遺言書のもっとも基本的かつ重要な役割が「遺産分割方法の指定」です。
たとえば、「自宅不動産は長男に、アパートは長女に、預貯金は長男と長女に6:4の割合で相続させる」というような指定です。
特定の不動産や預貯金、有価証券だけではなく、自宅内の動産や遺言書作成時には存在しなかった遺産の行く末も漏れなく指定できるような記載の工夫が重要です。
なお、預貯金口座については、銀行名・支店名で特定しなくても、法的な解釈が明確であれば、金融機関を具体的に特定しないことも可能です。
【その2:相続人以外への遺贈・寄付】
遺言書の中で指定することにより、相続人以外の方に遺産を渡すことができます。これを「遺贈」といい、相続人ではない(遺産を相続する権利が無い)内縁の配偶者や、生前お世話になった方にも遺産を遺すことができます。
特に、相続人が誰もいないケースに関しては、遺言が無ければ遺産が国庫に帰属してしまうため、想いを届けたい個人や法人に財産を譲りたい場合は、遺言書の中で「遺贈」や「寄付」の記載をする必要があります。
【その3:遺言信託の設定】
遺言書の中で「信託」という財産管理の仕組みを設定することを「遺言信託」といいます(信託銀行の「遺言信託サービス」とは全く別の概念です)。
単に遺産を遺すだけではなく、財産管理の仕組みごと遺す手法で、次のようなケースにはとても効果があります。
たとえば、軽度認知症の配偶者や障害のある子に遺産を遺す場合、受け取った本人がその財産を有効に管理・消費できないという問題があります。このようなケースでは、その認知症配偶者や障害のある子に代わって、家族が「受託者」として財産管理と金銭給付を担うというものです。これにより、何かと負担の多い成年後見制度を利用しなくても本人の生活を支えることができる可能性があります。
以上、今回は遺言書でできることについて、代表的な使い方・用途を3つピックアップして解説しました。
今回紹介したもの以外にも、遺言書でできることは多数存在します。しかし、遺言書は適切に作成しないと効力を発揮しません。相続(争族)対策として効果的かつ万全の遺言書作成を検討される際は、遺言書作成・遺言執行の実績が豊富な宮田総合法務事務所にお気軽にご相談ください。