自筆証書遺言の保管制度とそのメリットは?
みなさんは、「自筆証書遺言保管制度」をご存知でしょうか?
この制度を活用することで、手書きで作成した遺言(自筆証書遺言)のデメリットやリスクを軽減・回避できる可能性が高いです。
そこで今回は、自筆証書遺言の保管制度について、制度を利用するメリットを併せて簡単に紹介します。
★自筆証書遺言の保管制度とは?★
自筆証書遺言の保管制度とは、2020年に開始した新しい仕組みで、自筆証書遺言を法務局で画像データ化して保管してもらう制度のことです。
この制度ができる前までは、自筆証書遺言を作成しても自分で保管・管理しなければならず、失くしたり隠されたりするリスクがありました。
しかし、この自筆証書遺言の保管制度ができることで、それらのリスクを回避・軽減することができるようになったのです。
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★自筆証書遺言保管制度を利用する3つのメリット★
① 家庭裁判所での検認が不要となる
通常の自筆証書遺言は、遺言者の死亡後に家庭裁判所において「検認」の手続きを経なければ、その遺言に基づく相続手続きをすることができません。
遺言書保管制度を使用すると、法務局から交付される「遺言書情報証明書」をもって遺言書原本の代わりとして、検認を経ずに相続手続きに使用できます。
② 死亡時に遺言書の存在を通知してもらえる
遺言者が死亡したとき、その相続人や受遺者、遺言執行者(以下、「関係相続人」という。)が死亡の事実や遺言書の存在を知らない(知らされない)という問題があります。
この制度を利用すると、法務局が遺言者の死亡を把握した後(関係相続人の一人が遺言書の閲覧をした場合など)、保管申請時に指定した関係相続人に法務局が遺言書の存在を知らせてくれます。
③ 遺言の形式を確認してもらえる
この制度を利用するため法務局で遺言書の保管申請をする際、法務局の職員が遺言の形式をチェックしてくれます。
遺言の形式に不備があると、遺言自体が無効になってしまうリスクがあるため、遺言の形式を確認してもらえることはこの制度を利用する大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、法務局でのチェックはあくまで遺言形式だけであり、内容の有効性や文言の適切性などは確認してもらえません。
無効やトラブルになりにくく、適切で正確に記載された遺言書を作成するためにも、遺言書の作成は司法書士・弁護士などの法律専門家への相談がおすすめです。
遺言書作成に関するご相談は、弊所にお気軽にご相談下さい。