契約書の綴じ方に決まりはあるの?
契約書の綴じ方に明確な決まりはありません。
しかし、契約書類が複数枚ある場合に、署名押印欄以外の頁が抜き取られたり差換えられたり落丁したりすることを防止するために、実務において行われる2つの綴じ方をご紹介します。
契約書の綴じ方に明確な決まりはありません。
しかし、契約書類が複数枚ある場合に、署名押印欄以外の頁が抜き取られたり差換えられたり落丁したりすることを防止するために、下記の2つの綴じ方のどちらかをし、『契印(けいいん)』を押すことを強くお勧めいたします。
契印は、その書類が一体として1つの契約書であることを証明するために、2枚の紙にまたがって押す印鑑のことです。
1)ホッチキスのみで綴じる方法
用紙の端(横書きのときは左端、縦書きのときは右端の場合が一般的)をホッチキスで2~3箇所止めて、各ページにまたがって契約当事者全員の印で契印を押します。
この方法は、ページ数が多い場合や契約当事者が多数にわたる場合には、結構大変な作業になってしまうので、数ページを超える場合や契約当事者が数名を超える場合には、下記2)の方法をお勧めします。
2)ミミをつけて袋綴じにする方法
契約書全体をホッチキスで綴じて、背の部分を製本テープなどで包んで(これを通称「ミミ」と言います)袋とじにします。そして、表紙若しくは裏表紙の用紙の部分とミミの境目にまたがって契約当事者全員が1箇所契印を押します。
契約当事者が多い場合には、表紙部分と裏表紙部分の2面分を使うことで対応しやすいです。 なお、同じ契約書を2部以上作成する場合には、それぞれの契約書が相手方に内緒で改ざんされないように各契約書を重ねまたがって契約当事者全員が押印することがよくあります。
これを『割印(わりいん)』といい、厳密に言うと前述の契印と区別されていますが、実際には、両者とも“割る”という作業なので「割印」と呼んでいることも多いです。
割印がなくても契約書の効力に特段の影響はありませんが、前述の契印は、後のトラブルを避けるためにも必ず押すようにして下さい。