司法書士法人 宮田総合法務事務所

コロナで地価下落なら、路線価の減額修正を検討!

20.07.08
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2020年6月24日の日本経済新聞によりますと、国税庁は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動低迷などの影響で大幅に不動産の時価が下落した場合、相続税や贈与税の算定に使う「路線価」の減額修正ができる措置を検討しているとのことです。

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「路線価」は、「主要道路に面する土地の1月1日時点の1平方メートル当たりの価格」で、国税庁が毎年7月に公表していますが、 相続税や贈与税の申告に際しては、路線価に基づいて算定した土地の価格をその土地の地価として認めています。 

現行制度でも、地価が路線価を下回った場合は、納税者が個別に不動産鑑定士に頼んで評価額を出し、それをもとに相続税などを申告することも可能ですが、不動産鑑定士に依頼するのに数十万円の費用がかかる可能性があります。 

このため国税庁は、都道府県が不動産鑑定士の評価を基にまとめる「基準地価」(国交省が7月1日時点の評価を毎年9月頃に公表するもの)が新型コロナの影響で、広範囲で大幅に下落した場合、 その地域の路線価を減額修正できる措置の導入を検討しているようです。 

つまり、実際の不動産の時価(取引価格)と課税上の評価(一般的に時価の80%程度が「路線価」とされます)とが大きくかけ離れた場合の救済措置ということになります。 


路線価は通達に基づき国税局長が定めているので、路線価を減額修正するための法改正は必要なく、国税庁長官が通達を出せば対応できるとのことです。 

地価がどの程度下がった場合に減額修正の措置を導入するのか、対象地域をどう決めるのかなど詳細はまだ未定ですが、 対象地域の路線価に1未満の係数を乗じ、減額できるようにする案が検討されています。 

相続が起きた場合、相続税の対象となる方は全体の8.5%程度と言われていますが、生前贈与を実行して相続(税)対策をする方も多い中で、多くの方に影響を与える政策となり得ますので、今後も注目が必要です。