家族信託の「信託監督人」に求められることとは
家族信託による財産管理業務をチェックする「信託監督人」は具体的にどんな役割が求められるのか。「冷静かつ客観的に」受益者の利益を守りつつ、監督対象の受託者に対しても「対立するのではなく、伴走者として寄りそう」ことが大切です。宮田が執筆担当する『相続会議』のコラムで詳しく解説します。
信託監督人の具体的な役割
「信託監督人」の権限や監督方法は、原則自由に決めることができます(信託法第132条第1項但書)。
おおむね考えられる日常業務としては、
(1)後見監督人の業務にならい3ヵ月から半年に1度くらいのペースで、受託者が管理する信託口口座等の通帳を開示してもらうこと、
(2)大口の支出や使途不明金がないか、毎月の賃料収入がきちんと入金・管理されているか、また受託者が支払った請求書や領収書が適正かなどを確認すること、などがあげられます。
また、
(3)受益者(一般的には老親)に対して、定期又は不定期の財産給付(毎月の生活費等の手渡し等)がなされているか、受益者に困りごとや不満、不都合なことが起きていないかのチェックも重要です。