司法書士法人 宮田総合法務事務所

信託財産の管理方法②  信託口口座が作れなければ信託専用口座を

20.03.11
相続会議(朝日新聞)
家族信託のコンサルタントとして実績がある宮田浩志司法書士が、初めて家族信託を考える読者にも分かりやすく制度について解説します。今回は前回に続いて、信託財産の管理方法についてです。

信託口口座の弱点は

前回の記事「信託財産の管理方法① 受託者と委託者の口座は明確に区分を」では、信託金銭は、金融機関で「信託口口座」を作成し、管理するのが最善の策であると説明しました。理由は二つあります。

①:口座名義を見るだけで「信託金銭を預けている口座」「印鑑の届出を含め口座の管理をしているのが受託者」であることが明確であり、分別管理が徹底できる。

②:もし受託者が死亡や大病などで役目を果たせなくなっても、信託契約書で定めておいた予備的受託者がスムーズに口座を引き継げる。

しかし、現時点でメガバンクは「信託口口座」の対応がほぼできていないのが現状です。全国で「信託口口座」に対応できる金融機関は全体の1割に過ぎません。そこで今回は、「信託口口座」が作成できない場合の次善の策について説明します。