司法書士法人 宮田総合法務事務所

アパートを信託財産に・・・家賃を受け取る受託者に必要な手続きは

20.03.29
相続会議(朝日新聞)
家族信託のコンサルタントとして実績がある宮田浩志司法書士が、初めて家族信託を考える読者にも分かりやすく制度について解説します。今回は信託財産にアパートなどの収益物件が含まれる場合の対処法についてです。

「賃貸人」の権利義務は受託者に

受託者がアパートのような収益物件を信託財産として管理を引き受けた場合、「賃貸人」としての地位や権利義務も所有者(委託者)から引き継ぐことになります。

その結果、受託者は信託財産となったアパートの家賃を自ら徴収する必要があります。また、受託者には分別管理義務も発生するため、受け取る家賃は受託者固有の財産と分けて管理しなければなりません。

従って、管理会社を通さない「自主管理」で、賃借人と直接家賃の受け取りや賃貸物件に関するトラブルについてやり取りしている場合は、信託契約の発効後、各賃借人に対し、受託者が管理する信託専用口座に家賃を振り込むよう依頼する「振込先変更通知書」を送ることが原則となります。