司法書士法人 宮田総合法務事務所

2店舗目の出店で成功するには!? 多店舗展開のポイント

20.03.31
業種別【美容業】
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1店舗目のサロンが軌道に乗ったところで、2店舗目を出し、もっと店舗数を増やしていきたいと考えるのは当然のことです。
来客数が増えれば利益も増え、経営視野も広がります。
しかし、多店舗展開によって生じるのはメリットだけではありません。
多店舗展開を意識して2店舗目を出す前に、知っておきたい成功ポイントとデメリットの回避方法を見ていきましょう。
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店舗間の連携サービスで常連客を獲得

2店舗目を展開すると、1つの店舗だけではなし得なかったことが増えていきます。
たとえば、店内に4面程度しか施術できる設備がないような小規模店の場合には、同系列の店舗へ案内することによってより多くのお客を呼び込むことができます
それは予約にもいえることで、1店舗では1日に受けられる予約数に限りがあったものも、2店舗、3店舗と拡大していくことで予約数が受け入れオーバーとなった店舗から他店舗へ回すことができ、予約をお断りすることも減っていきます。

また、スタッフの労働環境に、改善が期待できるのもポイントです。
スタッフによっては、『休みたい曜日がある』『子どもがいるので時短で働きたい』など、さまざまな都合があるでしょう。
1店舗だけでは柔軟に対応できなかったシフトづくりも、多店舗展開によって店ごとに営業時間や定休日を変えられるため、スタッフの希望に沿った就業時間を提案することができ、労働環境の改善にもつながります。

いろいろな場所で店をオープンすることで地域密着型の店を作りやすく、ポイントカードの導入やクーポンの配布など、常連のお客を獲得する企画も施策しやすくなります
多店舗展開は、長い目で見てもメリットのほうが多いといえます。


仕入れが増えれば、運営費も軽くなる

店舗が増えるということは、使う資材や薬品なども増えていきます。
メーカーや卸業者からの仕入れも増えるため、そのぶん料金を優遇してもらえるケースもあります。
1店舗で扱っていたカラーやパーマのほかに、2店舗目からネイルやまつ毛エクステなど違うメニューを取り入れる場合も、それまでの材料費にプラスして発注するため、新規で発注するよりも原材料を安く仕入れるチャンスとなります。

取り込める客層が広がれば、売上も向上し、得られる利益も高まります。
ただし、ここで考えるべきなのは、おのずと固定費も増加するということなのです。
家賃や光熱費などは必ず2倍、3倍と増えていきます。
経営に大きく関わるデメリットですが、固定費自体は1店舗目を出す際と同じリスクであることを理解し、その先の利益を想定して計算していくことが重要です。


店舗拡大のデメリットは3つのポイントで回避

1店舗のみでも、複数運営でも、経営していくうえで悩みは必ず出てきます。
多店舗展開を進める際には、それまでと異なるハプニングに遭遇することもあるでしょう。
さまざまな解決策の中から、デメリットを回避するための最も重要なポイントを3つご紹介します。

(1)役職を設けて、役割分担を明確にする
オーナー、マネージャー、店長などの役割をはっきりさせ、仕事を兼任しないよう管理します。
アパレルや飲食店でも、よく“店長兼マネージャー”という肩書を見かけますが、一人に掛かる負担が大きくなると、経営側とスタッフとの連携が滞り、細部までマネジメントの目が行き届かないことも考えられます。
1店舗ごとの長所を伸ばし、短所を改善していくためには、しっかり統括できる管理職をつける必要があります。

(2)就業規則を見直す
スタッフの数が増えると、残業や休暇制度の問題や、人間関係のトラブルなどが起こりやすくなります。
衝突を未然に防いだり、トラブルを最小限に食い止めたりできるよう、多店舗経営向きのルールに就業規則を見直しましょう。
新たな就業規則を立てる際には、雇用する側とされる側のどちらも納得のいく内容を熟考しなければなりません。
従業員一人ひとりにとって最適な働き方を見つけていくことも、店を経営するオーナーの責任といえます。

(3)研修制度などの教育システムを更新する
スタッフによる技術の差異が生まれないよう、美容師スキルの向上や教育も徹底する必要があります。
基本的技術と接客を教える『新入社員向け研修』と、マネジメントなど管理者に求められる役割を教える『店長研修』を設けるといいでしょう。
ただ店舗を拡大し、スタッフを増やすというだけでは、長期的な運営は望めません。
拡大していくぶん、それぞれの管理体制を強化していくということが重要なのです。

2店舗目はオーナーにとって“チャレンジの場”ともいわれています。
1店舗だけでは叶わなかった夢や、複数店舗があるからこそできることに、挑戦してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2020年4月現在の法令・情報等に基づいています。