宮田総合法務事務所

相続財産管理人の選任2万人突破!

19.07.16
暮らし・人生にお役に立つ情報
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2019年7月8日付日本経済新聞によると、家庭裁判所による「相続財産管理人」の選任件数が2017年に初めて年間2万人を突破したとのこと。

「相続財産管理人」とは、亡くなった方(被相続人)に遺言がなく、かつ法定相続人もいない場合に、被相続人の遺産を清算するために
家庭裁判所が選任する者(主に弁護士)のことを言う。
少子高齢化や単身高齢者・生涯独身の方の増加により、この相続財産管理人による清算の必要性が増しているようだ。

記事によると、1898年に始まった相続財産管理人の制度は、2000年代に入って選任数が急増している。
2000年は7639人だったものが、2017年には、2万1130人へと約2.7倍に増加した、とのこと。

相続財産管理人は、プラスの資産を換価処分すると同時に、債権者に支払うべき債務(未払い・未清算の家賃・入院費・施設利用料・税金・借入金など)の
弁済を行う。
その結果、余剰が出れば(相続財産管理人の報酬も控除して)、最終的に国のものになる(国庫に帰属することになる)。
この国庫に帰属する財産総額が2017年度は約525億円にものぼり、これは年々増加傾向とのこと。

「相続人不存在」で国庫に引き継がれる金額も増加傾向にあり、17年度は約525億円に上った。


自分の想いや財産を希望する相手に遺すという目的もさることながら、法定相続人がいない方にとっては、「立つ鳥跡を濁さず」として去り際に
手間や迷惑をかけずに、かつ自分の資産が特定の方のお役に立てるような遺し方をするという意味で、「遺言」や「信託」の重要性が益々増していると言える。