宮田総合法務事務所

教育資金贈与の非課税制度延長へ

18.11.06
暮らし・人生にお役に立つ情報
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平成30年11月2日付日本経済新聞の記事によると、子や孫に教育資金を援助する際にかかる贈与税に関する非課税措置、いわゆる「教育資金贈与」の制度が2019年3月末に期限が切れるため、この措置を延長する検討に入った、とのこと。
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高齢層に偏る資産を若年層に円滑に移し、若者の進学や学び直しを支援する施策として、13年4月に導入された現行の「教育資金贈与」の制度は、0歳から30歳未満までの子・孫を対象に、1人あたり1500万円を上限に教育資金向けの贈与に限って非課税にするというもの。
なお、教育資金の対象は入学金や授業料、受験料のほか修学旅行代や給食費も含まれる。
500万円までは、塾やスイミング、ピアノのレッスンなど習い事代やその道具代に使うこともできる。
実際の運用は、信託銀行などに作った専用口座に親が金銭を預け入れ、子や孫は30歳になるまで信託銀行等に領収書等を提出することで、教育資金を引き出すことができる。

万が一、贈与する本人(祖父母や両親など)が亡くなったとしても、そのご意志どおりに子・孫等への教育資金として使うことができる。
ただし、教育資金として使いきれず残った資金については贈与税が課税されること、一度契約すると解約ができない(贈与者に資金を戻すことができない)ことに注意が必要。


この制度が19年3月末に急になくなると混乱や駆け込み利用を招くことから2年をベースに延長を検討するようだ。
一方で、この非課税措置は経済格差を固定するとの批判があることも踏まえ、自民党税制調査会などでの検討・協議を経て、対象を絞り込む措置もあわせ、12月にまとめる19年度の与党税制大綱に盛り込むことをめざすという。

贈与を受ける子・孫側に所得制限を設ける案や年齢制限を変更する案、非課税の対象金額を縮小する案なども上がっている。
また、高齢化による「老老相続」が増えているため、贈与税・相続税のあり方そのものを見直すべきだという議論もあるようだ。