司法書士法人 宮田総合法務事務所

“ミラーレンタル”で、独立の初期リスクを低減

18.10.04
業種別【美容業】
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独立を目指すスタイリストが、初期費用などを抑えて今すぐ個人経営者として働ける方法の一つ“ミラーレンタル(面貸し)”。
ここでは、実例を交えて、場所提供元との契約時の留意点や、どんなタイプの美容師に向いているのかをご紹介します。
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まずは、ミラーレンタル可能の店舗を探す

ヘアサロンで正社員として勤務していたAさんは、いずれ独立して自分の店を持つことを夢見ていました。
しかし、現実的には開業資金を集めるのも難しい状況。
そこで知ったのが“ミラーレンタル”です。
すでに営業している美容室のスペースや設備を、ある一定の契約のもと借用し、その売上を個人経営分の収入として得るというシステム。
新しく店舗を構えるための費用も労力もかからないという、Aさんにぴったりの制度でした。
Aさんは自分に合った働き方だと考え、まずは働きたい地域でミラーレンタルが可能な美容室を探しました。

最低資金で個人事業主としてデビュー

とある美容室に目星をつけたAさんは、その店舗との契約を目下の目標に掲げました。
さっそく、サロンチェーン店を展開しているオーナーにアタック。
資金は少なくても、十分な経験と能力を持つAさんは、スムーズにオーナーと契約を交わすところまでこぎつけました。
経営の知識がなくても、こうして個人事業主としての第一歩が踏み出せるのもミラーレンタルのメリット。
Aさんが結んだ契約書は契約項目が20~30にもおよび、出勤日や出勤頻度、取り分の割合などが事細かく記載されていました。
加えて、美容師として最低限必要な経費に関わる実務的な項目も含まれ、消耗品ともいえるドライヤーなどの道具は個人で用意し、カラーやパーマ剤などは無料で使用可能とのことでした。
自由な時間で働きたいと考えていたAさんは、正社員時代のようにシフトに縛られない働き方ができるとミラーレンタル契約の締結を決断。
晴れて夢の個人事業主として新しい道を歩み出しました。

報酬形態の実態とサロン側のメリット

ミラーレンタルの給与形態には、大きく二つのパターンがあります。
一つは、売上に応じて一定の還元率が支払われる“完全歩合制”
一般的に売上の45~65%が、報酬として美容室から支払われるのがベースラインです。
例えば、カット料金が8,000円と想定すると、1日に3人のお客さんを対応できれば10,800~15,600円。
20日間で216,000~312,000円の報酬が得られる計算です。
1日の達成目標を上げたり、1カ月の勤務日数を増やすことで、儲けに現実味が帯びてきます。
もう一つは、時間や月額固定給が支払われるケース。
こちらは、平均して1時間1,500~2,500円程度の時給として計算されることが多いようです。
スタッフ不足や、高額の家賃を払いながらもスペースが空いている状態の美容室にとっては、人材として有効活用できるというメリットも。
個人との契約のため、雇用することで発生する固定費もかからず、繁忙期などの人材として有効活用しやすくなります。
また、お客さんにとっては、一人のスタイリストが仕上げまで担当してくれるという安心感・満足感もあります。

このように、分かりやすいメリットが並ぶ“ミラーレンタル”制度は、今後ますます変化する時代の選択肢として注目されそうです。