“親なきあと問題”とそれに備える施策とは?
知的障害、精神障害、身体障害などの障害を持つ子や、障害者認定は受けていないが、引きこもりや鬱など何らかの事情により就労ができず生活サポートが必要な子が家族にいる場合、親がその子のサポートができなくなった後の生活や金銭の管理・給付などについて不安を抱えるケースは少なくありません。
十分な備えがないまま万が一の事態を迎えると、支援が必要な子や遺されたご家族の生活が成り立たなくなるリスクが生じます。
そこで今回は、「親なきあと問題」の概要やその備えとなる施策の一部をご紹介します。
<“親なきあと問題”とは?>
「親なきあと問題」とは、障がいのある子や社会生活における支援が必要な子について、その子を支えてきた親が、高齢化や病気、認知症、死亡などによってサポートを続けられなくなることで生じるさまざまな課題を指します。
生活面の支援だけでなく、親の遺産や預貯金を子どもが自ら管理・活用できなくなる懸念があり、家族単位で備えるだけではなく、社会保障制度などの利用も想定した早期の対策が強く求められる問題です。
<“親なきあと問題”に備える施策とは>
◆施策1:親がいなくても生活できるような社会との接点を持っておく
親が元気なうちは、親の庇護のもと、1日中実家で掃除・洗濯・入浴・3食付きで過ごすことができますが、親なきあとは、広すぎる実家に一人暮らしができることがベストとは限りません。
親の生活サポートを受けられるギリギリまで社会性を持たずに実家で過ごしてしまうと、いざ“親なきあと”になった頃には、支援が必要な子も50歳以上になっていて、その年から実家を出て一人暮らしをしたり、グループホームで共同生活をするという環境の劇的な変化を与えるのは本人にとっては、かなり酷な話になりかねません。
親が元気なうちからアパートでの一人暮らしに慣れさせるとか、グループホームに入所するとか、敢えて親が元気なうちから“親なきあと”に備えて社会との接点を持たせることも大変重要です。
また、同様の考え方で、自活するための収入を得る術を得られるかどうか模索することも重要です。
それが一般就労なのか、障害者雇用なのか障害者施設たる作業所での軽作業なのかはケースバイケースでしょうが、生活資金を自分で獲得することを目指すことと社会との接点を持っておくことの2点においてとても重要な備えだと言えます。
◆施策2:親が元気なうちに後見人を決めておく
「成年後見制度」は、判断能力が十分でない方に代わり、後見人が財産管理や各種契約手続きの代理、身上保護に関する手続き・決定をおこなう仕組みです。
この制度を利用することで、悪質商法の被害から守れるほか、入院・入所手続きや福祉サービスの契約もスムーズに進められるメリットがあります。
親が元気なうちは、後見人を就けなくても親がその分の役割も担うことができますので、必ずしも後見制度を利用する必要はありませんが、親が急病や急死等で支援の必要な子を支えられなくなってから、急遽後見人を就けるというのは、得策ではありません。
親が元気なうちに我が子の後見人を決めておくことがお勧めです。
支援な必要な子に兄弟(姉妹)がいたとしても、その兄弟には兄弟自身の家族があり生活があり人生があるので、親と同じレベルでの関わり方を期待してはいけません。
そこで、兄弟に後見人になってもらうのではなく、敢えて第三者後見人(職業後見人)を就けることが良策となる場合もあります。
職業後見人は、司法書士や弁護士等の法律職や社会福祉士・介護士等の福祉系専門職が考えられます。
親が子のサポートをすることができなくなる前に、信頼できる職業後見人を親又は親子で探し、敢えて早めに就任してもらうことで、実際に職業後見人業務をこの目で見て確認できるので、親としては職業後見人に直接要望・希望・子の特性などを伝えたりすることにより、親としても、その子自身としても、将来について安心できる備えができます。
★この続きは、弊所ホームページへ↓↓↓
https://legalservice.jp/kouken/31416/