司法書士法人 宮田総合法務事務所

記事のスクショ投稿はNG? SNS写真利用の法的注意点と回避策

26.06.09
ビジネス【法律豆知識】
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SNSで気に入った記事や写真をスクリーンショットして投稿する行為は、著作権侵害にあたる可能性があります。
「応援のつもりだった」という場合でも、注意が必要です。
また、自分で撮影した写真であっても、写っている人の許可なく公開すれば肖像権の問題が生じることもあり、「知らなかった」では済まされないケースも少なくありません。
今回は、SNSで写真や記事を扱う際に押さえておきたい著作権・肖像権の基本と、トラブルを避けるための注意点を解説します。

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スクショ投稿は要注意! 著作権侵害のリスク

スクリーンショット(スクショ)とは、スマートフォンやパソコンの画面に表示されている内容をそのまま画像として保存する機能を指し、SNS上でも日常的に利用されています。
しかし、他人が作成したコンテンツをスクショしてSNSに投稿することは、著作権侵害にあたる可能性があることを理解しておく必要があります。

著作権とは、文章・写真・イラストなど、人が創作した表現物(著作物)を保護する権利です。
著作物は創作された瞬間から権利が発生するため、登録や申請は必要ありません。
他人の著作物を無断でスクショしてSNSに投稿する行為は、著作権法上の「複製権」(著作物を複製する権利)とインターネット上で不特定多数が閲覧できる状態にする「送信可能化権」(公衆送信権の一種)を侵害する可能性があります。

ここで注意が必要なのは、「私的使用」との違いです。
自分だけが見るためにスクショを保存する行為は、著作権法第30条の私的使用による複製として許容されています。
しかし、SNSに投稿した時点で不特定多数の人が閲覧できる状態になるため、私的使用の範囲を超えることになります。
たとえ「鍵付きアカウント(非公開設定)」であっても、フォロワーの人数や属性によっては「公衆」への送信とみなされ、法的リスクをゼロにすることはできません。

「応援したい」「広めたい」という善意の目的であっても、著作権侵害の評価は変わりません。
また「一部だけ」「見出しだけ」という量的な少なさも、原則として免責の理由にはなりません。
政府広報オンラインでも、「マンガのスクリーンショットを撮ってSNSに投稿する行為は著作権侵害にあたる可能性がある」と注意喚起がされています。

例外として認められるのが「引用」です。
著作権法上の引用が成立するためには、(1)引用の必然性があること、(2)自分のコンテンツと引用部分が明確に区別されていること、(3)自分のコンテンツが主で引用部分が従であること(主従関係)、(4)出所を明示すること、に加え、「公正な慣行に合致し、正当な範囲で引用されていること」が必要とされています。
しかし、SNS投稿では短文が主体となるケースが多く、自分の意見が乏しいまま画像だけを載せる投稿は、主従関係の確保がむずかしいことから、実務上は引用として認められにくい場面もあります。

安全に情報を共有したい場合は、各SNSが提供する公式のシェア機能(引用ポストや埋め込み機能など)を活用するか、元投稿のURLを貼り付ける方法が有効です。
著作権者が意図した方法での拡散であれば、法的リスクを回避しつつ情報を共有することができます。

写真投稿で見落としがちな肖像権と写り込み

SNSに写真を投稿する際、著作権とは別に「肖像権」にも注意が必要です。
肖像権とは、自分の容姿や姿態をみだりに撮影・公開されない権利を指します。
日本の法律には明文の規定はありませんが、過去の判例において、憲法第13条(幸福追求権)を根拠とする人格的利益として保護されると解釈されています。

特に問題となるのは、他人が写る写真を本人の同意なくSNSに投稿するケースです。
友人や知人の写真はもちろん、たまたま写り込んだ通行人の顔が識別できる場合には、撮影状況や公開態様によっては肖像権侵害と評価される可能性があります。
もし写っている人物が芸能人や著名人である場合は、その顧客吸引力を保護する「パブリシティ権」の侵害を問われる可能性もあります。
特に、観光地や公共の場での撮影では、通行人の写り込みが避けられないケースも多いでしょう。
トラブル回避のためには、顔が識別できる人物にトリミングやモザイク処理などの加工を施すことが、実践的な対応として有効です。

また、「自分が写っている写真だから自由に使える」と思っている方も多いかもしれませんが、写真の著作権は、原則として撮影した人(カメラマン)に帰属します。
そのため、他人が撮影した写真に自分が写っているからといって、その写真を無断でSNSに転用・公開することは、撮影者との契約や利用許諾がある場合を除いて、著作権侵害のリスクを伴います。
自分が写っている写真を使用したい場合であっても、撮影者の許諾を得ることが原則です。

人物写真をSNSに投稿する前には、(1)本人の同意を得ているか、(2)顔や特徴から個人を識別できるか、(3)用途(公開範囲・目的)について本人が把握しているかという3点を確認することを習慣づけましょう。

SNSは気軽に情報発信できる一方で、著作権や肖像権といった法的責任も伴います。
「知らなかった」では済まされないケースも多いため、投稿前に一度立ち止まり、適切な方法での共有・公開を心がけることが重要です。


※本記事の記載内容は、2026年6月現在の法令・情報等に基づいています。