司法書士法人 宮田総合法務事務所

相続直前の投資マンション節税にメス!

25.11.29
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11/27付日本経済新聞の1面記事によりますと、政府・与党は、投資用の賃貸マンションを購入することによる相続税の節税策に対して、行き過ぎた節税策を抑止すべくマンションの相続税評価額の算定方法を見直す検討に入る、とのこと。

投資用マンション(他人に賃貸することを目的としたマンションやオフィスビルなど)について、相続税を算定する際の不動産評価方法を実際の購入価格をもとに算定する方法に変える。

従来のマンションの相続税評価方法については、土地は路線価、建物部分は固定資産税評価額を元に算出していたが、見直し後の新ルールでは、不動産の実際の購入価格をベースに評価する。これにより、相続税評価額を過度に圧縮して相続税を減らす手法をとれないようにする狙いがある。


具体的には、相続発生の5年前までに購入した投資用マンションについては、購入時の価格に地価の変動分を反映した上で、その価格の80%程度になるような計算方式を採用する方向のようだ。これにより、従来の算定方法より評価額が上がるので、結果として相続税は増えることが見込まれる。

政府・与党は、年内にまとめる2026年度の税制改正大綱への反映を目指す、とのこと。

 

賃貸マンションなどは借り主が多く、賃料収入が大きいほど不動産の価値は上がりやすい一方、相続税評価においては、借り主が多い方が所有者にとっては利用が制約されるとの考え方が採用され、評価額は実際の取引価格(時価評価)よりも下がる傾向にある。

このため現預金を保有したまま相続を迎えるよりも、投資用マンションに保有資産を組み替えて相続を迎えた方が相続税の納税額を減らすことができることになり、相続税対策の常套手段とされている。


また、昨今、資産活用・節税策の一つとして利用が進んでいる「小口化不動産」という投資商品(都市部の賃貸マンションや賃貸オフィスビルを多くの出資者から資金を集めて共同購入し、その出資口数に応じて賃料収入の分配を受ける投資商品)に関しても、小口化不動産商品の購入時期にかかわらず、商品の取引事例などをもとに相続税を算定する手法に変えることで過度な節税策として利用されるのを防ぐ方策も検討する。

 

マンションを利用した節税策については、高額なタワーマンションを利用した「タワマン節税」があったが、昨年、「タワマン節税」についてメスが入った

今回は、それに続き賃貸マンションや小口化不動産商品についても、税務のメスが入る形だ。

とはいえ。多額の現預金を保有している高齢者にとっては、現預金のまま相続を迎えるよりは、収益率の高い賃貸不動産(特に投資用マンション)を購入するという施策は、資産活用策・相続税対策としては、まだまだ使え得るといえる。

大事なのは、不動産価格が高騰している中で、いい加減な投資話・節税商品に安易に手を出さず、相続税対策よりも資産活用策として有効かどうかを見極め、それを本人及び家族が理解・納得して施策の実行をすることだと考える。