宮田総合法務事務所

「家族信託」を実行してアパートを確実に建替える方策とは

24.07.23
暮らし・人生にお役に立つ情報
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高齢の親世代が賃貸経営しているアパートが老朽化し、数年から10年以内に建替えを検討する場合、「家族信託」を活用して建替えを実現するケースは少なくありません。


そこで今回は、あらかじめ「家族信託」を実行した上で、将来において確実かつ円滑にアパートを建替える方策について簡単に解説します。

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★アパートの建替えに際して「家族信託」が有効な手段となる理由★


高齢の親世代が賃貸経営しているアパートが老朽化し、建替えを検討するケースは少なくありません。ただし、一言で建替えると言っても、話は単純ではありません。

 

現在アパートを借りている人(賃借人)がいる場合には、その賃借人に円満円滑に退去してもらって、すべて空室にしないとアパートを建替えることができません。

したがいまして、建替えについては、賃貸借契約の更新時において「定期借家契約」に切り替えたり、賃借人に代替物件を紹介したり、立退料を支払ったり・・・、何年も前から用意周到に計画を練り円滑な退去を目指すことになります。

それでも、立退き交渉はやってみなければ分かりませんので、実際に立退き交渉が難航・長期化するリスクは常に想定しておく必要があります。

そのため、高齢のアパートオーナーにとっては、いつ建替え工事に着手できるか、スケジュールが確定しづらいです。

立退き交渉から始まり新築アパートの設計打合せまでの一連の作業は、高齢のオーナーにとって、身体的・精神的負担が大きいだけではなく、大病や認知症でオーナーの判断能力が低下することにより一連の建替え計画がすべて頓挫するリスクもあります

 

★家族信託を実行して立退き交渉から建替えまでの一連の手続きを受託者に託せる★

前述の計画頓挫リスクを回避する方策として、建替え前の既存アパートとその底地を信託財産として、高齢のオーナーとその子世代との間で信託契約を締結(家族信託を実行)することが考えられます。

家族信託の実行により、既存の賃貸経営はもちろん、賃借人との立退き交渉や新たなアパート建設計画の策定まで、煩わしい作業・手続きは、高齢のオーナーに代わってすべて「受託者」たる子世代が担えるようになります

また、もしその建替え計画の実行に銀行融資が必要となる場合でも、家族信託に対応できる金融機関から「受託者」が借入をすることも可能となります。

そして、建替え計画が実現し、アパートが竣工した後には、新賃借人との賃貸借契約の締結や家賃管理も「受託者」が担うことになります。

なお、もし万が一、建替え計画の遂行中にオーナに相続が発生した場合でも、受託者による建替え計画の完遂に影響を与えない設計も可能です。

 

つまり、高齢のアパートオーナーが、老朽化したアパートを自分が存命中に確実に建替えたい場合には、「家族信託」という施策が大きな効果を発揮する可能性があるのです。


以上、今回は「家族信託」を実行した上で、確実かつ円滑にアパートを建替える方策について簡単に解説しました。

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