経営に役立つ「ランチェスター戦略」とは ≪その8≫
勝利をもたらす“ランチェスター戦略”。
弱者の戦い方には「5つの視点」が必要です。
その5つを順番に説明しておりますが、
今回は、最後の5つ目、「陽動戦」です。
これは、言い換えると「フェイク・ゲリラ戦」とも言えます。
弱者ならではの戦略といえるでしょう。
真正面から勝負をすると強者には負ける可能性が高いです。
例えば、商品やサービスを世間に広く宣伝したいと考えたら、
大資本を持つ大企業ならば、芸能人を使ったテレビCMや
大きな駅前の看板・デジタル広告などで
大々的に広告宣伝を展開すれば、大きな効果が期待できるでしょう。
この戦いにおいては、資金力のない弱者では勝ち目が低くなります。
そこで、「局地戦」で絞ったエリア内に、
自分たちでポスティングを行ってみるというのも
ゲリラ戦の考え方のひとつです。
直接お客様と接することから、これは「接近戦」にも通じてきます。
狭い地域に自分たち自らでポスティングを行うことは、
効率が悪く、逆に強者にはできない戦い方です。
だからこそチャンスとなるのです。
さらに、A点でやるふりをして、
強者が来ないようなB点でサッと一点集中して、
ゲリラ的に展開することでさらに効果的な成果を目指します。
例えば、スーパーにおいて、
「1家族につき2本まで、牛乳1本80円!」という
特売のチラシを出しつつ、多くの来店客を確保できた際には、
利益率の高い別の商品を買ってもらうことを狙う作戦です。
強者が狙わないエリアや分野などを徹底的に考えて
フェイク・ゲリラ戦を仕掛ける。
そうすることで、その部分においては
強者を圧倒できる場面が出てくるでしょう。
弱者だからこそ採れる
これら5つの視点で強者になる、
これが「ランチェスター戦略」における
弱者の戦い方の基本的な考え方です。