経営に役立つ「ランチェスター戦略」とは <その7>
勝利をもたらす“ランチェスター戦略”。
弱者の戦い方には「5つの視点」が必要です。
その5つを順番に説明していきます。
今回は、その4「接近戦」についてご紹介します。
「接近戦」は、ランチェスター戦略にとって、
最も大切な考え方です。
これは、エンドユーザーであるお客様と
直接接する機会を増やす戦略です。
いわゆる「直接販売」です。
間に問屋や代理店を挟むのではなく、
直接にお客様と接触する機会を設けることで、
多くのメリットが得られます。
【メリット1:お客様の声をダイレクトに得られる】
これは「局地戦」における考え方にも通じるものです。
直接、お客様の声を吸い上げることで情報収集ができますし、
何より自社をお客様により深く認知してもらうことができます。
【メリット2:「間接販売」のデメリットを回避できる】
問屋や代理店は、販売増進・販路拡大にあたっては
大変ありがたく、便利な存在ですが、実はその弊害もあります。
たとえば、代理店などは商品を販売するにあたって
やはりネームバリューのある商品の方が
売りやすい傾向があります。
一方、商品名や自社のブランディングが
大手企業よりも劣っている自社の商品は売りにくく、
売りにくい商品は後回しにされ
さらに売れなくなるという悪循環に陥る可能性があります。
このような「間接販売」の弊害・デメリットを避けることができる
というのも「接近戦」におけるメリットのひとつと言えます。
【メリット3:自社独自の顧客情報のデータベースができる】
ダイレクトに顧客と接すれば、
顧客の購入履歴(購入商品・購入頻度など)や趣向を含め、
自社の顧客データベースを構築することができます。
自社からエンドユーザーの間に他社が入れば入るほど、
実際の顧客の姿というのは見えにくくなります。
つまりデータベースが作りにくくなるのです。
弱者は自ら商品を売り切る力を身につけるべきです。
他社に商品販売を委ねる
委託販売・代理店制度による「間接販売」は、
顧客の認知度を高め、
マーケットシェアをある程度獲得した強者になってから
取るべき施策となります。