生きがいラボ株式会社

そのチラシ、よく見てみましょう!工夫のし過ぎに要注意!!

13.09.01
ビジネス【マーケティング】
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区役所の方々の勉強会に招かれて、
広告やマーケティングの話をしたことがあります。
その時“ついでに”という感じで、
そこに何枚かあったチラシについて
意見を求められました。

正直、私の目から見ると、
ヒドイものばかりでした。
その中でも最もヒドかったのが、
役所主催のフェスティバル集客用チラシ。

どこがダメか一言でいうと、
「無駄な工夫」のオンパレードなのです。
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いちばん印象に残っているのは、
最も目立つべきフェスティバルの名称の色使い。
12文字なのですが、
その文字の色がぜんぶ違う色。
楽しい感じを演出しようという
“工夫”だと思うのですが、
まったくパッと目に入って来ない。
そのうえ、文字と文字の間を埋めるように、
ご丁寧に花のイラストまで散りばめてあります。

一応は、外部のプロ・デザイナーに依頼したもののようなのですが、
「楽しい感じにしよう」「目立たせたい」
「なんか努力をしなくちゃ」という気持ちが、
全体としての計算もなく、散りばめられてしまっているのです。

こういうチラシは、少なからず目にします。
さすがにタイトルの文字の色を一文字ずつ変えているものは
そんなに多くありませんが。

例えば、色を使い過ぎ、いろんな書体を使い過ぎ、
これも文字が大き過ぎるがゆえに目に入って来ない、
あの情報もこの情報も入れておきたいと
いらいらするほどゴチャゴチャになっている。

もちろん、工夫をすること自体は、
悪いことではありません。
でも、多すぎる工夫は、全体として効果的ではありません。

工夫の数はできれば1つ、
多くても2つか3つくらいに絞りましょう。
色使いにしても、目立たせたいのであれば、
赤一色だけのチラシの方が、目立ちます。

ビジネス用語で言うところの“部分最適”を避けて
“全体最適”を意識してください。
それだけでも、あなたの作ったチラシの効果は、グンと上がりますよ、
きっと。

[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。