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『ユニコーン企業』とは? 上場するメリットとデメリット

24.05.28
ビジネス【企業法務】
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日本には約368万もの企業がありますが、このうち上場している企業は約3,900企業しかありません。
上場企業とは、証券取引所で自社の株式を公開している企業のことで、日本ではほとんどの企業が非上場の企業にあたります。
株式の上場を目指す経営者は少なくありませんが、上場にはメリットとデメリットがあることを理解しておかなければいけません。
世界には、企業価値が高くても、あえて上場しない『ユニコーン企業』と呼ばれる企業も存在します。
ユニコーン企業が上場しない理由を紐解きながら、上場の基礎知識を学んでいきましょう。
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日本にもある企業価値が高い非上場企業

一定の条件を満たした企業価値の高い非上場のベンチャー企業は、2013年にベンチャー投資家のアイリーン・リー氏により、その希少性から伝説の生き物であるユニコーンになぞらえて、『ユニコーン企業』と名付けられたとされています。
有名どころでは、宇宙開発事業を行っているアメリカの『SpaceX』や、生成AIの『ChatGPT』が話題になったアメリカの『OpenAI』などが、代表的なユニコーン企業と呼ばれています。

ユニコーン企業は、創業10年以内の未上場のベンチャー企業であり、評価額が10億ドルを超えているという条件に当てはまる企業を指します。
また、一般的には、テクノロジー関連企業であることも条件の一つとされています。
世界的に増加傾向にあり、2022年10月時点のデータによるとアメリカでは約650、中国でも約170のユニコーン企業があります。

一方、日本にはほとんど存在せず、その数はわずか10社前後といわれています。
日本にユニコーン企業が少ないのは、世界に比べて、起業が容易ではない、未上場株式に投資しづらいといった理由が考えられます。

ですが、ユニコーン企業の条件には当てはまらないものの、企業価値の高い非上場の企業は日本にも多数存在しています。
上場会社の子会社を除けば、サントリーホールディングスや竹中工務店などは、売上高が1兆円を超えているにも関わらず、上場していません。

非上場の企業が上場するには、証券取引所に申請して審査を受ける必要があり、証券取引所の設定した上場基準を満たしていれば、上場できます。
世界的なユニコーン企業や非上場の大企業は、上場基準を満たせるにも関わらず、なぜ上場しないのでしょうか。
企業ごとの事情や経営方針などもありますが、そこには、上場することのデメリットも関係しています。

上場で信用度などが向上するがデメリットも

上場するメリットは、第一に資金調達がしやすくなることにあります。
自社の株式が証券取引所に公開されることで、投資家が株式を自由に売買できるようになるため、これまでよりも容易に資金を増やすことが期待できます。
資金が増えれば経営に余裕も生まれ、従業員を増やしたり、設備を拡充させたりといったこともできるようになります。
上場基準を満たしている企業として、信用度も向上するため、金融機関からの融資も受けやすくなるでしょう。

また、知名度も上がるため、人材の確保がしやすくなるという利点もあります。
就活生にとって、やはり上場か非上場かは大きな判断材料の一つになります。
上場企業であれば、就職したいと考える学生も増えるため、優秀な人材の応募を集めることが可能です。

一方で、上場するデメリットは、一つにコストの増大があげられます。
監査法人や証券会社への支払いなどを中心とした金銭的なコストはもちろんですが、時間的なコストや人的なコストなども計り知れません。
通常、上場を決めてから実際に上場するまでは3年ほどかかり、上場に向けた人員も揃える必要があります。

さらに、社会的な責任も増大し、財務内容や事業内容、株価などの情報を開示する義務も負うことになります。
上場企業は、有価証券報告書や四半期報告書の発行から、株主総会の開催まで、さまざまな責務を滞りなく対応していかなければいけません。

経営が悪化すれば、株主から経営責任を追求されますし、退陣を要求されることもあります。
非上場時のような経営者の裁量による自由な経営はむずかしくなるでしょう。
何より、自社株を誰でも購入できるようになるため、常に買収のリスクにさらされるようになります。
競合による株式の買い占めや、敵対的買収(TOB)などには特に注意を払わなければいけません。

上場するか否かを判断する際は、こうしたメリットとデメリットを踏まえて、社内でもよく検討する必要があります。
上場基準の見極めなどについては、法律知識も必要になるため、まずは企業の上場支援を得意とする専門家に相談することをおすすめします。


※本記事の記載内容は、2024年5月現在の法令・情報等に基づいています。